“連携プレー”でチームメートの命救う 小山市消防本部、4人と事業所に感謝状

感謝状を手にする小山シニアFCの選手(右4人)ら

 栃木県小山市と野木町で活動する社会人サッカーチーム「小山シニアFC」の選手4人が9月、練習中に倒れ心肺停止状態となったチームメートに自動体外式除細動器(AED)を使い救命した。市消防本部は今月14日、迅速な“連携プレー”で救命活動に当たった4人と、AEDを貸し出した地元事業所に感謝状を贈った。猪瀬治雄(いのせはるお)消防長は「冷静で勇気ある救命活動で尊い命が救われた」と感謝した。

 感謝状を受け取ったのは、同FCの会社員塩野谷忠季(しおのやただき)さん(40)=小山市粟宮1丁目、同尹祥律(ゆんしょうりつ)さん(52)=同市西城南6丁目、自営業山下善徳(やましたよしのり)さん(53)=同市八幡町2丁目、会社員曽我正宣(そがまさのぶ)さん(55)=茨城県古河市=の4人と、栄研化学野木事業所の古橋弘康(ふるはしひろやす)工場長。

 同チームは9月11日夜、野木町野木の同事業所グラウンドでサッカーの練習をしていた。その最中に仲間の40代男性が突然倒れ心肺停止状態となった。

 近くにいた塩野谷さんと尹さんが人工呼吸と心臓マッサージを素早く行い、山下さんは携帯電話で119番。曽我さんは約450メートル離れた同事業所守衛所に車を走らせAEDを借りた。救急車到着までの一連の処置で男性は一命を取り留め、社会復帰できた。

 尹さんは「その場にいた約15人全員が助けるために動いた」、山下さんは「焦りで110番しそうになった」、同事業所勤務の曽我さんは「訓練でAEDの場所を覚えていたのが役に立った」とそれぞれ話した。

 同FCは40歳以上の顔見知り18人が4月に結成。県シニアリーグに参加しており、関東大会出場を目指して練習に励んでいる。代表の塩野谷さんは「必死だったが自然と役割分担ができた。この経験を他のチームに伝えたい」と話している。

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