「平戸神楽」全24番披露 亀岡神社 秋の例大祭

真剣を使って舞う「二剣」=平戸市、亀岡神社

 国指定重要無形民俗文化財「平戸神楽」全24番を舞う「平戸大々(だいだい)神楽」が26日、長崎県平戸市岩の上町の亀岡神社(下條紀元宮司)であり、地元住民や観光客が伝統芸能の奉納を静かに見守った。
 現在の平戸神楽は、江戸時代中期、平戸藩主から命令を受けた藩士が、全国の神楽を見て回り、地元の神楽に各地の要素を融合させて完成させたとされる。
 演目の数で小、中、大、大々の4種があり、全てを舞う「大々神楽」は年に1度、同神社の秋の例大祭(平戸くんち)だけ。笛、太鼓による雅楽と舞いの全てを神職が、代わる代わる担当する。
 「太鼓始(はじめ)」で奉納開始。神社拝殿から神楽殿に場所を移し、四方を清め氏子の長寿を祈る「荒塩(あらしお)」、心身の息災を願う「神相撲」、真剣を使った「二剣(にけん)」などを披露。再び拝殿に戻り、後半の10番を経て、邪気を払い、天下太平、氏子の繁栄を祈る「八散供米(やちくま)」で締めくくった。
 平戸神楽振興会の木田昌宏(よしひろ)会長は「市外から訪れるファンもいる。多くの人の協力で奉納にたどり着いた。継承を支えていきたい」と話した。
 日本各地の祭りを紹介するテレビ番組「ダイドードリンコスペシャル 日本の祭り2021」(12月5日、NBC長崎放送)でも同神楽を紹介する。

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