2021衆院選ながさき 長崎新聞世論調査 選挙区別の分析 長崎1区

(左から)安江綾子氏、西岡秀子氏、 初村滝一郎氏

 2期目を目指す国民民主前職の西岡秀子候補が安定し、自民新人の初村滝一郎候補が懸命に追い上げを図っている。共産新人の安江綾子候補は苦しい戦いが続く。
 西岡氏は連合長崎などの労組や、参院議長を務めた父武夫氏(故人)から引き継いだ支持基盤“西岡党”が強固。国民民主の玉木雄一郎代表も公示日から3度、応援に駆け付けた。
 対する初村氏は県市議らと企業や団体回りを徹底。これまで、秘書として仕えた安倍晋三元首相をはじめ、著名な国会議員らが次々に乗り込み“空中戦”で攻勢をかける。
 支持政党別で見ると、西岡氏は国民支持層を手堅くまとめ、立憲民主も8割強に浸透している。さらに自民の2割強、公明の5割強にも食い込んでいる。一方、初村氏は自民支持層の7割を固めながらも、連立政権を組む公明は4割弱しか取り込めていない。
 「支持する政党なし」と答えた無党派層は、西岡氏の3割強に対し、初村氏は1割強にとどまる。ただ、その半数がまだ投票先を決めておらず、浮動票の行方に注目が集まる。
 男女別では男性の半数近くが西岡氏、2割強が初村氏を支持した。女性への浸透ぶりは互角。年代別の支持率は幅広い層で西岡氏が上回っている。西岡氏は長崎市周辺部での街宣活動でさらに票の積み上げを目指す。初村氏は知名度不足を払拭(ふっしょく)するため、街宣に加え会員制交流サイト(SNS)による発信を強化している。
 安江氏は共産支持層からの支持が6割強にとどまっている。社民の2割弱を集めるが、埋没感は否めない。気候変動問題やジェンダー問題への取り組みなどを訴え、無党派層の取り込みを図るが、広がりを欠く。

【長崎1区】(届け出順)
初村滝一郎候補(42)=自民・新
西岡 秀子候補(57)=国民・前
安江 綾子候補(44)=共産・新

© 株式会社長崎新聞社