2021衆院選ながさき 長崎新聞世論調査 選挙区別の分析 長崎3区

(左から)石本啓之氏、山田勝彦氏、谷川弥一氏、山田博司氏

 強固な組織票を持つ自民前職の谷川弥一候補が引き締めを図り、序盤の接戦から一歩抜け出した。立憲民主新人の山田勝彦候補が懸命に追うが、他の野党支持層をまとめきれておらず、無党派層も伸び悩む。山田博司候補は保守層に一定食い込み、石本啓之候補は埋没している。
 谷川氏は国境離島新法制定など実績をアピールし、高齢批判の払拭(ふっしょく)に努めている。全ての年代で他候補を上回り、中でも20代は過半数に達した。
 離島全域と佐世保市南部は盤石。だが東彼3町の一部で苦戦し、無党派層が多い大票田の大村市でも接戦を強いられている。自民支持層は6割、公明支持層は5割弱と取りこぼしが目立つ。職業別では多くの業種で一定支持を得ているが、契約社員やアルバイトへの浸透がやや弱い。
 「世代交代」を掲げる勝彦氏は草の根の運動を展開。立民支持層の8割近くをまとめ、公明支持層の2割にも食い込んでいる。ただ、野党共闘で候補者擁立を見送った共産の支持層は3割しかなく、国民支持層も谷川氏に流れている。他候補と比べ無党派層の支持は厚いものの、2割程度にとどまっている。
 大票田の大村市では谷川氏を上回り、東彼の一部でもリード。職業別では農林水産業から一定の支持を集めている。SNSを駆使して政策などを発信しているが、20代の支持は3割、30代は1割程度にすぎず浸透は今ひとつ。
 博司氏は政党や大きな団体の支援はないが、自民支持層の1割強、公明の2割と保守層に食い込む。無党派層は2割に満たない。地元の五島市では2割強を集めた。公示直前に出馬を表明した石本氏は独自の戦いを繰り広げるが、いずれの地域、年代にも浸透していない。

【長崎3区】(届け出順)
山田 博司候補(51)= 無 ・新
谷川 弥一候補(80)=自民・前
山田 勝彦候補(42)=立民・新
石本 啓之候補(52)=諸派・新

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