2021衆院選ながさき 長崎新聞世論調査 選挙区別の分析 長崎4区

(左から)田中隆治氏、萩原活氏、北村誠吾氏、末次精一氏

 公認争いで出遅れた自民前職の北村誠吾候補が盛り返し、立憲民主新人の末次精一候補が食い下がる。当落線上のつばぜり合いは、終盤までもつれ込む様相となっている。
 8期目を目指す北村氏は「山積する課題を解決できるのは自公連立の政権与党だ」とアピール。公明党と一体となった運動を展開し、公明支持層の8割をまとめた。野党の国民民主からも4割程度が流れ込んでいる。
 しかし、公認争いを招いた閣僚時代の失言などが尾を引く形で、肝心の自民支持層は5割にとどいていない。危機感を強める金子原二郎農相や朝長則男佐世保市長らが組織にてこ入れ。幅広い業界団体の推薦を取り付け、農林水産業の9割近くが支持した。学生ら若年層にも食い込んでいる。全5市町で優勢。特に平戸市では末次氏を突き放している。
 衆院選5回目の挑戦となる末次氏は、立民支持層の8割近くを固めた。自民支持層は1割強、公明は約1割しか切り崩せていない。
 野党共闘で挑む選挙戦では国民や社民、労組関係者らと街頭に立ち「国民本位の政治に変えよう」と政権交代を訴える。ただ「積極的な支援態勢」を取ったはずの共産は、支持が4割程度にとどまる。無党派層への浸透も北村氏と大差なく、終盤にどれだけ野党共闘の実効性を上げられるかが注目される。
 松浦、西海両市では北村氏に肉薄。自営業や非正規職で上回り、年代別では30代で支持を集めている。
 自民の公認争いを批判し離党した前佐世保市議で無所属新人、萩原活氏は自民支持層の1割強を取り込んでいる。無所属新人の田中隆治氏は無党派層の一部の支持を得ているが、広がりはない。

【長崎4区】(届け出順)
末次 精一候補(58)=立民・新
北村 誠吾候補(74)=自民・前
萩原  活候補(61)= 無 ・新
田中 隆治候補(78)= 無 ・新

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