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バスケットボールのBリーグ3部(B3)に今季から加盟した長崎ヴェルカが、開幕8連勝で首位を快走している。「最短でB1昇格」を掲げる新鋭クラブはここまで、全試合20点差以上という圧倒的な強さを披露。計56試合を戦うシーズンはまだ序盤戦だが、来季のB2昇格へ最高のスタートを切った。
■ 観客動員1位
24日のホーム八王子戦。悠々と8連勝を決めると、観客の手拍子が大きな拍手へと変わった。この勝利でチームは首位に浮上。「ディテール(細部)が少しずつ良くなってきた」。伊藤拓摩監督も大きくうなずいた。
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「激しい守備、展開の速いバスケット」。これがヴェルカのスタイルだ。展開を速めれば、その分、得点チャンスも増える。8試合中、すでに100点ゲームでの大勝は3試合。3点シュートの試投数もリーグトップの1試合平均34本。リングに向かう積極的な姿勢と、それを支える個々の意識、技術の高さで他チームを圧倒している。
観客動員も他チームを大きく上回っている。ここまでのB3全体の平均が約620人の中、ヴェルカのホーム4試合の平均は約1280人で1位。派手な演出や音楽、チアリーダーチーム「ヴェルチア」のレベルの高さなども含めて見どころも多く、県民の関心の高さが数字に表れている。
■ 上位陣は混戦
今季はB3で優勝すれば、無条件でB2昇格が決定。2位ならば、コロナ禍の特例で昨季2位の岡山との昇格決定戦に回る規定になっている。
例年、優勝チームの勝率は8割超で、現在無敗のヴェルカは文句なしの状況だが、そう簡単に物事が進まないのは勝負の常。今季は2位岩手が開幕8連勝、3位A千葉も6連勝と無敗を維持している。上位陣は混戦になる可能性もあるため、それぞれ直接対決を制した方が、B2切符獲得へ大きく近づきそうだ。
その2チームとの最初の直接対決は、A千葉戦が12月25、26日、岩手戦は来年1月8、9日。いずれもホーム戦で、長崎市の県立総合体育館で予定されている。
一番のライバルになってきそうなA千葉は、ヴェルカと同じく今季からB3に参戦したチームで、集まった選手の実績などはヴェルカレベル。年末の長崎での大一番は注目を集めそうだ。
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■ B1勢に挑戦
好調なヴェルカにとって、腕試しの一戦となるのが30日の天皇杯3次ラウンド8回戦。相手は前々回王者のB1渋谷だ。国内トップレベルのチームに対して、B3の新鋭がどんな戦いを見せてくれるか。今後を占う試金石にもなってきそうだ。
ヴェルカの選手たちもそこは十分に理解している。リーグ首位に立った24日の試合後、伊藤監督がこう言っていた。
「自分たちの実力が今どこにあるのか。チャレンジャーなので、ここでチームがどんな反応を起こすかを見てみたい。本当に楽しみですね」
天皇杯8回戦の「渋谷-長崎ヴェルカ」は30日午前9時30分、佐賀県唐津市文化体育館で行われる。