栃木県は28日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、新規感染者数の減少や病床使用率の改善を受け、県独自の警戒度レベルを31日から最も低い「ステージ1(感染観察)」に引き下げることを決めた。飲食店の利用人数の制限などを緩和し、外食需要喚起策「Go To イート」も11月10日から再開する。一方、今後の「第6波」への備えとして医療提供体制を見直し、最大100床程度の臨時医療施設の設置を目指す方針を示した。
県内の新規感染者は27日、約8カ月ぶりにゼロになり、病床使用率なども大幅に改善した。こうした状況を受け県は、同一グループで4人までとしていた飲食店の利用人数制限や、午後9時までのイベントの開催時間の制限を緩和する。
イベントの収容上限人数は収容率50%以内かつ上限1万人までとしてきたが、1万人以下の制限をなくす。50%以内は継続する。
「Go To イート」は、1冊1万2千円分の食事券を1万円で販売。50万冊発行し、県内の郵便局などで取り扱う。
臨時医療施設は、感染者が多く出た県南などに複数箇所、設置する計画。
また、ワクチンの県内接種状況は、26日時点で12歳以上の75%が2回接種を完了しており、対策本部会議後の記者会見で福田富一(ふくだとみかず)知事は「希望する県民への2回接種は11月中旬に完了する見込み」と述べた。
3回目の接種については、12月に医療従事者から実施する。一般接種は2回目から8カ月以上経過した人を対象に順次行う。
年末に向けて多くの人が集まる機会が増えるため、基本的な感染対策の徹底を継続して呼び掛けることも決めた。
福田知事は「飲食時の人数制限は緩和するが、(県による第三者認証の)とちまる安心認証を受けた感染対策を徹底した店を利用してほしい」と求めた。