衆院選 終盤情勢 長崎3区 離島から本土へ“集結”

右から山田博司候補、谷川弥一候補、山田勝彦候補、石本啓之候補

 長崎3区の立憲民主新人、山田勝彦(42)が選挙戦の離島巡りで最後に訪れたのは壱岐市だった。26日、同市芦辺町で開いた決起集会には約180人が参加。「予想を上回る人に集まってもらい、島カツ最後の演説を全力で行った」。すぐにツイッターで発信した。
 世代交代を訴え、草の根運動で広げてきた。序盤は「競り合い」と報じられたが、終盤にリードを許す展開に陣営幹部は「厳しい状況だが、本人が訴える姿を見てもらうのが一番」。巻き返しに向け「鍵を握る」とみる佐世保市南部で演説会を開催。東彼3町や大村市を巡る。
 「次は絶対出ないので今度だけは変えないでください」。7選を目指す自民前職の谷川弥一(80)は若い挑戦者を意識し、各地でこう訴える。
 高齢批判に危機感を抱き、強固な後援会組織や地方議員がフル回転。谷川自らも離島が盤石と見るや、苦戦と伝えられた大村市や東彼に遊説先を絞った。27日、川棚町の東彼商工会には会長の呼び掛けで約100人が集まり、谷川は「年は取っても柔軟に切り替える瞬発力はまだある」と自負した。対馬市でも市議が「まだまだ余裕じゃない」と地域回りを続け、隙を見せない。
 その保守地盤を切り崩そうと無所属新人の山田博司(51)は駆け回る。五島市選出県議5期の経験から「離島の声を国政に届ける」とアピール。各地で「家の中から出てくる人もおり、五島と変わらない」と自信を見せる。
 終盤は「本土決戦だ」(選対幹部)と大村などに重点を置き、佐世保市南部でも集会を計画。「谷川は自民支持層を固め切れていない。支持者のネットワークを通じて票を掘り起こしていく」と幹部の鼻息は荒い。
 諸派新人の石本啓之(52)は“マネジャー”の母親と二人三脚。ポスターは目立つ場所を選んで張り、人通りの多い時と場所を狙って演説。会員制交流サイト(SNS)で政策を発信している。=敬称略=

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