雲仙市議選 終盤情勢 候補ら「手応えない」 前回と構図変わらず、コロナも影響

定数19に20人が立候補した雲仙市議選のポスター掲示板=同市内

 24日に告示された雲仙市議選は31日の投開票に向けて、終盤戦に入った。定数19に対して20人(現職18、元職1、新人1)が立候補。新型コロナウイルス感染防止のため、各陣営とも出陣式への出席案内を減らし、選挙事務所に詰める人数も最小限に抑えながら、選挙カーから懸命に投票を呼び掛けている。
 「落ちるのは20人中たったの1人。前回も票が取れてるから安心でしょう」。多くの候補者が支持者からこんな言葉を掛けられている。昨年から続く新型コロナ禍で支持者と顔を合わせる機会はめっきり減った。ベテランの現職の一人は「これだけ手応えがない選挙は初めて。確実な投票を念押ししないと、大崩れしかねない。不安だ」と危機感を強めている。
 旧7町が合併し、2005年に誕生した同市の議会は議員定数30でスタート。17年の前回選挙まで改選のたびに定数を減らしてきた。定数減のない改選は今回が初めてで、立候補者の顔触れも現職と元職で19人を占め、「ほとんど代わり映えしない面々」と市民の関心は盛り上がりを欠いている。
 候補者の町別内訳は国見8、瑞穂1、吾妻2、愛野1、千々石3、小浜3、南串山2。最激戦区の国見では前回選挙でも候補者8人が、隣接する瑞穂など町外から票を集め、全体で国見の有権者数を上回る票数を集めた。今回もこの動きに変化はない。現職が1人しかいない瑞穂、吾妻、愛野が草刈り場になり、南串山方面からも候補者の選挙カーが乗り入れている。
 市の有権者数は前回から約1600人減った。前回と同じく衆院選と同日選になるが、市民の関心の低さがうかがわれ、投票率は過去最低だった前回(69.39%)から「さらに下がりそう」(複数の陣営)。前回の最下位当選は857票で、今回は多くの陣営が千票以上の得票を目標に掲げている。
 選挙人名簿登録者数は3万5715人(男1万6858、女1万8857)=23日現在、市選管調べ=。

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