伊勢孝夫氏が阪神・佐藤輝に提言 「インコースへのスライダー」見極めを

取り組むべきテーマは?(東スポWeb)

阪神・佐藤輝明内野手(22)が29日に甲子園球場での全体練習に参加。ランニング、フリー打撃などで約2時間みっちりと汗を流した。

シーズン後半戦は、59打席連続無安打に陥るなどの大ブレーキもあり、打率2割3分8厘、64打点、24本塁打の成績でレギュラーシーズンを終えた。ポストシーズンでの逆襲を期し「リーグ優勝は逃しましたが、まだ日本シリーズに出れるチャンスはある。そこに向かって全力で頑張ります」と表情を引き締めた。

実戦で少しでも多く打席に立つため、佐藤輝は30日から3日間、宮崎で行われているフェニックスリーグへ〝短期留学〟することも決定。宮崎から帰阪次第、甲子園球場などで行われる社会人チームとの練習試合にも出場する見込みだ。CS突破、そして日本一をもぎ取るためにも規格外男の復調は不可欠なだけに、ここからの1週間でどれだけ状態を上げていけるかが、チームの浮き沈みを握ることになる。

ヤクルト、近鉄などで長く打撃コーチを務めた本紙評論家の伊勢孝夫氏は、ここからの実戦で佐藤輝が取り組むべきテーマは「足元へ沈み込むインコースへのスライダーの見極め」にあると指摘する。「右投げ左打ちの打者は総じてインコースへ沈む右投手のスライダー系変化球を苦手とする傾向があるが、佐藤輝も同様やね。どうしてもボールが消えたように見えてしまうんや。そこを気になりだすと、打撃フォーム全体が崩れインハイへのストレートなどで打ち取られてしまう。しっかりとボールを見極めて見逃すべき球は見逃す。捉えられるボールはミスなく仕留められるよう、テーマを持って打席に立ってほしい」とした。

6日から始まるCSファーストステージ(甲子園)の対戦相手・巨人には菅野、ファイナルステージで待ち構えるヤクルトには小川など、スライダーを得意とする右投手がいる。虎党を痺れさせた、前半戦のような豪快なアーチ量産の再現に期待したい。

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