【新体操】フェアリージャパン 団体でメダル肉薄4位 初陣で出た“メンタルマジック”の効果

団体総合でボールの演技をするフェアリージャパン(代表撮影)

東京五輪もいい演技をするための布石――。新体操の世界選手権3日目(29日、北九州市・西日本総合展示場)、団体総合が行われ、日本は2種目合計84・900点の4位に終わったが、明るい兆しが見えてきた。

東京五輪では8位に終わったフェアリージャパンだが、この日はいきなりボールで45・000点をマークするなど、強豪国と互角に戦い抜いた。2大会連続のメダルには届かなかったものの、主将の杉本早裕吏(25=トヨタ自動車)は「久しぶりに観客の前で踊れて幸せ」と笑顔を見せた。

地道なメンタル強化が再建の要因だった。フェアリージャパンは2017年から精神科医でマジシャンの志村祥瑚氏を招き、選手たちの意識改革に取り組んだ。かつての選手たちは結果を重視するあまり、メンタルにブレが生じるケースがあったという。

そこで志村氏は「いい演技をするところにフォーカスすると、失敗が失敗じゃなくなる。いい演技をするって方向にコミットしていれば失敗ではないし、失敗しても通過点でよりいい演技をするための改善点が見つかるってことになる」と指導。結果ではなく、いい演技をすることに焦点を当てることで、1つのミスに一喜一憂することがなくなった。

今回は新メンバー2人を加えた新体制で再スタートを切ると、初陣でいきなりメダルに肉薄。杉本は「(ミスにも)冷静に対応でき、ミスがなかったくらいのエネルギーが出せた」と〝メンタルマジック〟への手応えを口にした。

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