【衆院選2021】神奈川の候補者に聞く 若者の指摘、「派閥」って必要?

神奈川県内候補に聞く「派閥って必要ですか?」

 衆院選が31日に投開票を迎える。コロナ禍で社会が大きく変わる中、使い慣れたSNS(会員制交流サイト)で拡散と共鳴を繰り返すデジタルネーティブの「Z世代」は政治に何を思うのか。

 派閥って必要なの?

 9月の自民党総裁選でも結束力は以前と比べて衰えたとされたが、若者たちの目には「同じ党なのに、なぜ派閥で争うのか」と、その存在自体が疑問に映るようだ。神奈川新聞本紙の衆院選連載「Z世代×未来」に登場した7人の若者が抱いた素朴な指摘について、衆院選の県内候補者へのアンケートで尋ねた。

 50人から回答が寄せられ、「必要」「場合によって必要」と回答したのは約6割の29人に上った。このうち与党系は18人、野党系11人。与野党を問わず、議論を深めて政策を磨いたり、法案提出の賛同者を集めたりできる派閥の利点を強調する声が目立った。

 「総理にしたい人のために仲間が集うのは自然。ただ、派閥自体が目的になるなら違う」。ある閣僚経験者はストレートな回答を寄せた。「総理にしたい人」の下に付く構図が浮き彫りになるが、こうした点にこそZ世代が疑念を抱くのだろう。

 ただ、派閥を「必要」と断言した回答は7人にとどまり、最多22人が選んだのは「場合によって必要」という条件付き賛成だ。「権力にこだわった派閥は不要だが、政策本位の意見交換として必要」などの意見があった。耳にしがちな若手議員育成の場という回答は、新人の1人だけだった。

 派閥不要の回答には「分野別に問題を分析し、政策を決める場は部会として各党にある」「権力争いは無駄」「各党は団結すべきだ」などの声が上がった。

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