FAに向けて万全の準備 セミエンが代理人をボラスに変更

今季、年俸1800万ドルの1年契約でブルージェイズに加入し、二塁手のシーズン新記録となる45本塁打を放ったマーカス・セミエンが2年連続となるFA市場に向けて準備を進めている。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン記者によると、セミエンは代理人をスコット・ボラス・コーポレーションに変更。MVP候補の1人に挙げられるなど、好成績を残した直後のオフシーズンだけに、敏腕代理人として知られるボラスを代理人に起用し、大型契約の獲得を狙っているようだ。

ボラスは言わずと知れた「球界最強の代理人」である。今オフのFA市場では、セミエンのほか、コリー・シーガー(ドジャース)、マックス・シャーザー(ドジャース)、クリス・ブライアント(ジャイアンツ)、ニック・カステヤーノス(レッズ:オプトアウトの権利を行使した場合FAになる)、カルロス・ロドン(ホワイトソックス)といった有力選手がボラスの顧客である。

昨オフはワッサーマン・エージェンシーを代理人として自身初のFA市場に臨んだセミエンだったが、新型コロナウイルスのパンデミックによる各球団の財政難も重なり、自身の希望に見合うオファーを得ることはできなかった。結局、1年1800万ドルでブルージェイズと契約。従来の遊撃から二塁にポジションを移し、打率.265、45本塁打、102打点、15盗塁、OPS.873の好成績をマークした。二塁手もしくは遊撃手のアップグレードを目指すチームの有力な補強ターゲットとなるのは間違いないだろう。

「ESPN」のバスター・オルニー記者は、セミエン獲得に動く可能性のあるチームとして、再契約を目指すであろうブルージェイズのほか、ジャイアンツ、マリナーズ、レンジャーズ、タイガースを挙げている。今オフはセミエン以外にも多くの有力遊撃手がFAとなるが、セミエンを「最も安全な投資。彼と契約するために使ったお金は必ず価値のあるものとなるはずだ」と評価する声もある。そうした状況のなか、セミエンはボラスを代理人に起用して大型契約を目指す。

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