アストロズがバーランダーにQO提示の方針 コレアも引き留めへ

今オフにザック・グレインキー、ジャスティン・バーランダー、カルロス・コレアといった主力選手がFAとなり、動向が注目されるアストロズ。そんななか、ジム・クレイン・オーナーはトミー・ジョン手術により今季を全休したバーランダーに対してクオリファイング・オファーを提示する方針であることを明らかにした。また、今季開幕前に契約延長のオファーを拒否されたことが報じられたコレアについても引き留めたいと考えており、FAとなったあとに再契約を目指すつもりのようだ。

クオリファイング・オファーの制度が導入された2012年以降、同オファーを受諾して残留した選手はわずか10人しかおらず、他の86人は同オファーを拒否してFA市場に出ていった。クオリファイング・オファーとは、FAに関連するドラフト補償指名権のために導入された制度であり、同オファーを拒否した選手が他球団と契約した場合、元の所属球団は翌年のドラフトで補償指名権を得ることができる。逆に言えば、同オファーを提示しない限り、FA選手が流出しても補償は得られない。

現在38歳のバーランダーは直近2シーズンで1試合しか登板できず、2年6600万ドルの高額契約はアストロズにとって大失敗に終わった。バーランダーがFA市場に出た場合、どのくらいの規模の契約を得られるかは不透明だが、アストロズは少なくともクオリファイング・オファーの金額に値すると考えているようだ。ちなみに、同オファーは必ず1年契約となり、金額は年俸上位125選手の平均によって定められる(昨オフは1890万ドル)。

現在27歳のコレアはフェルナンド・タティスJr.(パドレス)やフランシスコ・リンドーア(メッツ)といった遊撃手が超大型契約を得たことを受け、総額2億ドル以上の大型契約を希望しているとみられる。今季開幕前には6年1億2000万ドルと5年1億2500万ドルの契約延長オファーを拒否。今季は148試合に出場して打率.279、26本塁打、92打点、OPS.850、守備防御点+21と攻守両面でしっかり結果を残した。アストロズは2019年オフにゲリット・コール(ヤンキース)、昨年オフにジョージ・スプリンガー(ブルージェイズ)を失ったが、今オフは2012年ドラフト全体1位指名のスター遊撃手の流出を阻止できるだろうか。

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