日本代表の新システム「433」は守備に問題あり?岩政大樹の持論がおもしろい

ワールドカップ最終予選で厳しい戦いを強いられた日本代表。

サウジアラビアに敗れた後のオーストラリア戦では、4-2-3-1から4-3-3のフォーメンションを変えるとともにメンバーの入れ替えも行った。

DAZNで配信されている内田篤人の『FOOTBALL TIME』でもこの話題をピックアップ。ゲスト出演した元日本代表DF岩政大樹氏はこんな私見も口にしていた。

岩政大樹(元日本代表DF)

「特殊なやり方をしたなってのはありますね。

4231のほうがシンプルで分かりやすいけれど、433は、特に今回のリヴァプール式というのか川崎(フロンターレ)式というのか、それをやりましたんで、少し特殊ではあったので、よく勝ちきったなというのはありましたね」

「(どういう狙いで森保監督は433のチョイスのしたのか)

これは表には言っていないことで、僕が想像しているのは、メンバーを変える時にシステム変えたほうが、(メンバーを)変えるっていうのを言いやすいってのはありますね。

つまり、柴崎岳選手とか何人かを変える時にシステムを変えるからメンバーも変えるよっていうのは選手に納得させるうえですごく言いやすいっていうのがあったかもしれない。

あとは、オーストラリアのビルドアップの形がボランチが外に広がっていくような形になるので、これを4231でどう抑えるかっていうのはちょっと難しいところがあった。

サイドハーフが高い位置をとってくるサイドバックに対して下がってくると全体が下がってきちゃうので、そうすると今の流れのなかで押し切られるんじゃないかというのが多分あって。

じゃあ高い位置を掴みにいこうよって行くけど、4231のままだとちょっと難しいから、(両サイドを前に)出す代わりに中盤を3枚にするっていうのを考えたんだろうなと」

岩政氏は2つのシステムが持つ特性も解説。

「4231はオーソドックスで大きく崩れないけれど、どこにも分厚いところが作れないので、特殊ではない代わりに特徴もない」、「433はかなり特殊で相手がそれに戸惑う可能性があるが、特殊ゆえに空いてくるところがあるので、そこを相手に突かれることが増えると結局オーソドックスに戻るっていうのがある」とも語っていた。

また、4人でやっていた中盤の守備を3人で担当することになるので、「運動量が豊富なディフェンシブハーフを増やさなければいけない。そういう選手が(代表選考で)入ってくる可能性が増えてくる。逆に言うと、トップ下と右を両方やれるような堂安律選手とか久保建英選手とかの人数を減らす可能性が出てくる。(両サイドは)高い位置をとるので、ウィングは可能性でてきますよね。三笘薫選手とか」とも述べていた。

433を継続していくなら、それに合わせて代表選考から考える必要があるとの指摘だ。

さらに、岩政氏は433はハイプレス&ハイラインにしたうえで細かいラインコントロールをしなければ成り立たないが、今の日本代表はチーム全体の守り方がそうなっていないとも指摘していた。

問題は、守備側が掴むのがボールなのか人(相手選手)なのかを統一できていないという点。

「(守り方をボール中心して人を捨てて)ラインを上げてしまえばスペースは生まれなくなるけれど、人を見てしまうとコンパクトさはできない。細かいラインコントロールをしながらラインを常に高く設定して、外に展開されたらスライドして、グングン動いていくサッカーを作らないと433は成り立たない。この特殊なやり方をするのであれば、セットでラインコントロールは必須な気がするので、守備の判断基準は大事」とも指摘していた。

【動画】日本代表が433を崩された豪州戦の失点直前シーン

内田も選手としての4231の守りやすさなどを解説するなど実に濃い深い内容になっているので、気になる方は是非本編をチェックして欲しい。

11月にベトナム、オマーンとのアウェイ2連戦を戦う日本代表がどんなシステムで戦うのか注目される。

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