声を振り絞り「国政へ」 長崎県内13候補、最後の訴え 衆院選きょう投票

投票日前日に「最後の訴え」をする候補者=諫早市内

 衆院選の選挙戦最終日となった30日、長崎県内4小選挙区の候補者13人は各地を回り、街頭でマイクを使える制限時間の午後8時まで「最後の訴え」に声を振り絞った。12日間にわたって繰り広げられた舌戦は幕を降ろし、いよいよ審判の瞬間を迎える。

  1 区 

 自民新人の初村滝一郎候補(42)は雨が降る中、最後まで長崎市内を歩き回り、支持を求めた。選挙事務所近くでマイクを握り、「大逆転まであと一歩。皆さまのお力をお貸しください」と声を絞り出した。
 国民民主前職の西岡秀子候補(57)も同市の国道沿いを歩きアピール。マイク納めでは「1期目の取り組みは道半ば。いま一度国政に送っていただき、皆さんの代表として働かせてください」と頭を下げた。
 共産新人の安江綾子候補(44)は第一声と同じ同市中心部の鉄橋で最後の演説。「命と暮らしを守る。これを必ず実現する」と強調し「困難へ導く政治を許しておくことはできない」と自公政権を批判した。

  2 区 

 立憲民主前職の松平浩一候補(47)は諫早市を駆け巡った。市中心部のアーケードを練り歩き、買い物客らに「最後の最後です」「商店街に人がいっぱい来るよう盛り上げていきます」と支持を訴えた。
 自民新人の加藤竜祥候補(41)は西彼地区から島原半島まで横断し、途中の諫早市で街頭演説。「最後の最後まで全力を注ぐ。選挙区は加藤、比例は公明に力を貸していただきたい」と呼び掛けた。

  3 区 

 無所属新人の山田博司候補(51)は大村市内を巡った。選挙事務所前では、共に戦ったスタッフを一人一人ねぎらい、「投票箱が閉まるまでが勝負。みんなで喜びを分かち合おう」と気勢を上げた。
 自民前職の谷川弥一候補(80)は同市内で「政治はハートでやるもの。企画力と交渉力も求められる」と演説。「コロナで集会が開けないからこそ街頭でしっかり訴える」と話し、選挙カーに乗り込んだ。
 立民新人の山田勝彦候補(42)は同市内などで支援を呼び掛けた。街頭演説では「政治が変われば未来も変わる。世代交代を」と声を振り絞り、通行人から「絶対勝てよ」とエールを受ける場面もあった。
 諸派新人の石本啓之候補(52)は「夜遅くまでの選挙活動は、かえってご迷惑」と考え、まだ明るい午後4時に佐世保市南部の商業施設前でマイク納め。「新しい風を吹かせよう」と声を張り上げた。

  4 区 

 立民新人の末次精一候補(58)は午後から2時間かけて佐世保市中心部を練り歩き、演説で「政治を変えよう」とアピール。事務所近くでマイクを納め、充実した表情で集まった支援者に感謝を述べた。
 自民前職の北村誠吾候補(74)は同市中心部で街頭演説し、朝長則男市長らが応援に駆け付けた。事務所前で「選挙で勝ち、市民の夢や希望を未来につなぐ」と訴え、8期目への戦いを締めくくった。
 無所属新人の萩原活(ひろし)候補(61)は選挙カーで同市内を回り、約15カ所で演説。最後は事務所前で「手応えはある。これは未来を選択する選挙。変える勇気を持つことが必要だ」と言葉に力を込めた。
 無所属新人の田中隆治候補(78)は同市のさせぼ五番街近くで演説し、「より豊かな活力ある水産業の環境改善を目指す」と強調。世界の人口増を引き合いに出し、食糧確保の重要性も訴えた。

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