長崎県内最大のイベント・展示ホール「出島メッセ長崎」あす開業 経済活性化に期待もコロナ懸念

11月1日に開業するMICE施設「出島メッセ長崎」=長崎市尾上町

 国際会議や大規模な学会などが開催できるMICE(コンベンション)施設「出島メッセ長崎」が11月1日、長崎市尾上町のJR長崎駅西側に開業する。交流人口の拡大を図ろうと市が整備した。県内最大のイベント・展示ホール(約3800平方メートル)を備え、経済活性化に期待がかかる。ただ、新型コロナウイルス禍の影響も懸念され、市はオンライン会議の活用や感染対策を講じて運用する。
 同施設は地上4階、地下1階。駐車場を含めた延べ床面積は約3万3500平方メートル。2019年8月に着工し、総事業費216億円を投じて整備された。建設主体の特別目的会社「ながさきMICE」が運営する。
 イベント・展示ホールは1階にあり、展示会やコンサートなど、さまざまな用途に対応。2階のコンベンションホール(約2700平方メートル)は最大3千人を収容。固定した座席がなく、カーペット敷きのホールとしては西日本最大級の大きさを誇る。大小24の会議室も備え、10人未満から最大約600人の会議まで対応し、市民の利用も促す。
 オンライン会議に対応するため、大容量の光ケーブルを全ての会議室、ホールに引き込んだ。会議はオンラインと対面を組み合わせた「ハイブリッド型」を目指し、換気設備を拡充するなど感染対策も講じた。
 利用者数は年間目標61万人で、9月末現在、会議などの予約状況から年間約57万8千人を見込んでいる。
 経済波及効果は宿泊や飲食、物販の消費額などにより年間114億円と試算。田上富久市長は取材に「平和や医学など長崎だからこそできるテーマの会議を開くなど『長崎型MICE』を創造できるかが鍵。観光分野との相乗効果を図り、開業効果を地元にいかに波及させていくかが今後求められてくる」と語った。


© 株式会社長崎新聞社