【フィギュア】世界を震撼させたワリエワのV 男子王者チェンとTES「1点差」の衝撃

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダ(バンクーバー)の女子フリーが30日(日本時間31日)に行われ、ショートプログラム(SP)で首位のカミラ・ワリエワ(15=ロシア)が180・89点を叩き出し、合計265・08点の世界歴代最高得点で優勝を飾った。

衝撃デビューとなった。今季からシニア転向したワリエワはフリーでも前評判通りの演技を披露。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)がステップアウトとなったが、他のジャンプはすべて成功。特に後半の4回転トーループ―オイラー―3回転サルコーの3連続ジャンプは圧巻だった。

特筆すべきは各要素(エレメンツ)の基礎点と出来映え点(GOE)の合計で算出される技術点(TES)の高さだ。4回転3本を決めた驚異の新人はTESがなんと106・15点。一方、同日に男子で優勝した世界王者ネーサン・チェン(米国)はTES107・68点。男子無敵の世界選手権3連覇に対し、わずか「1・53点差」という衝撃的な点数だった。また、男子2位のジェーソン・ブラウン(米国)に対してはフリー(165・55点)、合計点(259・55点)ともに上回っている。つまり、仮に男子に交じって出場していても銀メダル。文字通り〝男子顔負け〟の結果となった。

ライバルたちを意気消沈させる強さから「絶望」の異名を取るワリエワ。北京五輪を目指す他の選手たちはこの日、まさに絶望を感じたことだろう。

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