衆院選長崎2区 加藤さん 一騎打ち制す

初当選が確実となり、万歳で喜ぶ加藤さん(中央)=10月31日午後8時43分、諫早市永昌町の選挙事務所

 長崎県内小選挙区で唯一、一騎打ちとなった長崎2区。自民新人の加藤竜祥さん(41)が保守地盤を背景にした分厚い「党営選挙」を繰り広げ、相手候補の追い上げをかわして初当選を果たした。「やったぞ」「おめでとう」-。諫早市永昌町の選挙事務所は大勢の支持者が詰め掛け、喜びに沸き返った。
 衆院議員を3期務め、体調不良を理由に急きょ引退を表明した父寛治さん(75)の後任として、公示の約1カ月前に急転直下で擁立が決まった。
 父の私設秘書として地元で活動してきたが、当初は身内からも知名度不足を指摘する声が上がっていた。短期決戦で準備不足は否めず、不安を抱えたままの船出だった。
 県議時代から無敗を誇った父の地盤をそのまま受け継いだ。祖父の代から続く強固な後援会をはじめ、党県議、市議、農政連などを中心に組織選挙を展開。選挙協力態勢を敷く公明支持層も手堅くまとめ、序盤からリードを保った。「優勢」との下馬評だったが、「最後の最後まで全力で、できる限りのことをする」と力を緩めず、相手候補の追い上げを振り切った。
 選挙期間中、父同様、農林水産業の振興や道路網の整備を訴えた加藤さん。「当選確実」の報が入ると、選挙事務所は支援者の歓声と割れんばかりの拍手に包まれ、「古里の振興発展、地方創生の実現に向け取り組んでいきたい」と決意を語った。

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