開票トラブル相次ぐ 二重計上、紙詰まり… 確定2時間遅れも

開票作業が続く宇都宮市第1開票所=1日午前3時5分、宇都宮市体育館

 31日投開票の衆院選で集計ミスのトラブルなどが栃木県内の市町で発生し、目標としていた確定時刻より大幅に遅れるケースが相次いだ。

 宇都宮市第1開票所では、比例代表の確定予定時刻だった1日午前1時5分を過ぎても開票作業が続き、予定から2時間以上遅れの同3時10分に確定した。同市選挙管理委員会によると、確定間近になって集計上のミスが発覚。原因の特定と立会人への説明に時間を要した。

 票は政党別に、バーコードの付いた票箋(せん)(政党名を記載した札)で千票ごとにまとめ、パソコンで読み取って集計しているが、日本維新の会の束に別の政党の票が混入していた。正しい束を作り直して読み取った際に、誤った束のデータを取り消し忘れ、二重計上していた。

 下野市第2開票所では集計機械の紙詰まりや立会人の作業の慎重さから、小選挙区は1時間近く、比例代表は2時間遅れた。小山市の比例は目標を1時間余り過ぎて午前0時35分までずれ込んだ。新型コロナウイルス感染対策として職員数を前回比で2割削減したことと、疑問票の処理に手間取ったという。

 野木町でも念入りに点検し、比例が1時間57分遅れ。壬生町では立会人6人が全員初めてで確認作業に時間がかかり、小選挙区、比例とも1時間近く遅れた。

 一方、宇都宮市選管は1日、第2開票所で総投票者数より投票用紙が17枚多かったと明らかにした。立会人らに説明し、投票総数として集計した。市選管は「珍しいケース。原因の特定は難しい」と説明。県選管はこの影響で1、2区の確定時間が午前3時51分になったとしている。

 栃木市選管は同日、同市都賀町富張、赤津小の投票所で、比例の投票用紙を有権者1人に誤って2枚交付した可能性があると発表した。二重投票の可能性があるが、票の特定は難しく、正しく記載されていれば2枚とも有効になるという。

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