「岩手は日本のチベット」自民・麻生氏 “失言” まだあった? 記者たちが見た衆院総選挙

自民党・麻生副総裁(東スポWeb)

10月31日投開票の衆院選は、終わってみれば自民党が単独過半数を確保という結果となった。野党共闘の効果はイマイチだった一方で、日本維新の会が大躍進。また、ベテラン議員たちが小選挙区で議席を落とすなど、世代交代の波も起きている。世論調査が予測できなかった衆院選を取材班が振り返った。

デスク 世論調査では「自民党が大幅に議席を減らす」なんて話も出てたけど、結果だけみると自公の勝ちだろう。

A(与党担当) 維新が躍進するとは指摘されていたけど、ここまでとは…。

B(関西担当) 公示前の約4倍となる41議席と立憲民主党に次ぐ第3党になりました。大阪では吉村洋文大阪府知事の人気がすごく、いわば〝吉村チルドレン〟が生まれたわけです。もっともいいことばかりではなさそうですが…。

デスク というと?

B 自民党の〝魔の3回生〟じゃないですが、吉村チルドレンからスキャンダルが出るんじゃないかと恐れられているんです。

C(遊軍担当) 吉村氏も1日の囲み会見で、新人議員について「勘違いしないようにしてもらいたい」と念押ししていましたね。

B「身を切る改革」が〝身内〟を切ることになったりして。

デスク 注目候補では元グラドルの森下千里氏が宮城5区で落選か。

D(遊軍担当) 現地に取材に行ったら本紙が〝VIP待遇〟で驚きました。秘書から「いつも好意的な原稿をありがとうございます」と言われて、森下氏本人を紹介されたんです。

デスク 好意的な原稿ってあったっけ? まったく記憶にないけど。

D 森下氏からは「やっと東スポさんに会えた。うれしいです。これからもよろしくお願いします」と満面の笑顔で感謝され、一瞬にしてハートをつかまれてしまいました。

C そういえば東京8区で落選した石原伸晃氏のところは〝逆VIP待遇〟でした。事務所に電話しても「担当者から後で折り返す」と言って、結局折り返しはない。無駄に電話番号だけ伝えるハメになってます。

デスク 甘利明氏や小沢一郎氏らベテラン勢が小選挙区で敗北。一方で同じベテランでも麻生太郎副総裁は強いな。もっとも失言は相変わらずで、「温暖化で北海道の米はおいしくなった」との発言は炎上した。

A 批判にも麻生氏は我関せずという感じ。その後の岩手・盛岡駅の街頭演説でも「岩手は日本のチベット」なんて発言してて、岸田執行部は青ざめていた。

C 安倍晋三元首相も元気でした。注目されていたのが安倍氏が開設したユーチューブ。食レポをして「ジューシー」と言うことにファンは期待していましたが、安倍氏は駅弁の紹介をする動画でジューシーと言いそうで言わない〝焦らしプレー〟をして、ファンを悶絶させていました。

A 肝心の岸田文雄首相ですが地味過ぎてほとんど印象が残らない。東京・大井町での最終演説では泡沫とされる候補者たちが集結するプランもあったけど、マック赤坂氏の弟子の込山洋氏だけだった。

デスク よく考えると岸田首相はまだ何もしてないんだよな。地味首相の手腕こそ予想できないよ。

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