【新日本】ザック 11・6鷹木の王座強奪へあり余る自信「14歳の時に…これ以上の準備はない」

王者・鷹木(左)を挑発するザック(新日本プロレス提供)

新日本プロレスの6日・エディオンアリーナ大阪大会でIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)に挑戦するザック・セイバーJr.(34)が、最高峰王座取りへの思いを激白だ。G1クライマックス覇者オカダ・カズチカが挑戦権利証代わりに4代目IWGPヘビー級ベルトを〝復活〟させるなど、騒がしい周囲に何を思うのか? また王座奪取後の青写真は――。

IWGP世界王座戦線がなんともにぎやかだ。ベルトを自作し米国で活動する前王者ウィル・オスプレイに続くかのように、G1覇者のオカダに挑戦権利証代わりの4代目IWGPヘビー級ベルトが譲渡された。

IWGP世界王者の鷹木が激高しているのとは対照的に、ザックは「旧ベルトがなくなったことをファンが嫌がっていても関係ない。鷹木こそが本物の王者であり、俺の関心事はそれだけ。それ以外のことは、子供がおもちゃでバカみたいに遊んでいるだけのことだ」と斬り捨て、全神経を大阪決戦に集中させる。

2018年4月以来の挑戦となる最高峰王座取りは長年の悲願だ。「俺の人生はこの瞬間のために積み重ねられてきた。14歳の時に高校の進路指導の先生に『日本でチャンピオンになる』と言ったんだ。日本に来て10年目になる。これ以上の準備はないと思う」

卓越したテクニックで独自のスタイルを確立したザックは「クラシックレスリングとモダンレスリングの懸け橋」を自任し、自身の戴冠がジャンルに大きな変化をもたらすと予言する。

「俺は伝統的なプロレスを現代的なレンズで表現した人物だ。自分のスタイルは例えるならば『ポスト・ストロングスタイル』なんだ。王者になったら特別なレガシーをつくる必要があるが、タイトルを守るために3人の名前が頭に浮かんでいる。柴田勝頼、ブライアン・ダニエルソン…あとボブ・サップだね」と不敵な笑みを浮かべた。

現在はタイチとのコンビでIWGPタッグ王座を保持する。過去に4人しかいないヘビー級のIWGPシングル&タッグ2冠王者は、1997年の佐々木健介以来誕生していない。「真の偉大なレスラーは、どちらの部門でもトップに立つべきだと思う。日本のプロレスの栄光の時代である90年代の新日本や全日本では、両部門の間でもっと動きがあったので、そのやり方を取り戻したい。それを証明するために、ダブルチャンピオンとしてタッグリーグを制覇したいと思う」と2冠達成後も「ワールドタッグリーグ」(14日、後楽園で開幕)への参戦を公約する。

「来年はレッスルキングダムが3大会(1月4、5日に東京ドーム、同8日に横浜アリーナ)あるので絶好の機会だ。タッグ王座もシングル王座も問題なく防衛できる」。コロナ禍にあっても頂点だけを目指し、異国で戦い続けてきた。信じた道を貫き通した男が、未来を切り開く時が来た。

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