〈衆院選・上越市長選〉10・31選挙ドキュメント 緊迫の開票 大接戦の行方 

 衆院選と上越市長選は10月31日に投開票され、各陣営は固唾(かたず)をのんで夜の開票速報を見守った。衆院選小選挙区は、立憲民主党新人の梅谷守氏(47)がわずか130票差の大接戦を勝利。自由民主党前職の高鳥修一氏(61)は比例代表で復活当選を果たした。新人同士の争いとなった上越市長選は、元市議の中川幹太氏(46)が2度目の挑戦で悲願達成。前副市長の野澤朗氏(64)は追い上げも及ばなかった。激戦を繰り広げた各陣営の悲喜こもごもの表情を紹介する。

歓喜の声と走る緊張 衆院選新潟6区 

 20:55(高鳥陣営)

 上越市新光町1の上越文化会館中ホールに設けた開票見守り会場に県議、市議、支持者30人が集まる。大接戦との下馬評に、緊張感が高まる。

 21:21(梅谷陣営) 会場となった上越市木田1の選対事務所に、選対本部長の森裕子参院議員が入る。集まっていた支持者は約50人。会場内に設置されたテレビ1台はNHKの選挙特番を映す。

 21:24(梅谷) 黒のスーツに赤系のネクタイを締めた梅谷氏が妻の弥乃(ひろの)さんと会場入り。

 21:30(高鳥) 会場には50人が集まる。それぞれのスマートフォンで選挙情勢の確認。上越市長選の結果も気になる様子。

 22:23(梅谷) 妙高市で高鳥氏に勝ち、勢いづく。

 22:35(梅谷) 打越さく良参院議員が会場入り。

 22:58(高鳥) 妙高市で劣勢の報に「えー」と落胆の声。大票田・上越市の開票動向に注目が集まる。

 23:15(高鳥) テレビの開票状況で7000票のリードが報じられ、安堵(あんど)感が漂う。

 23:33(梅谷) 上越市でリード。当選ムードが高まる。

結果が見通せない段階で硬い表情の梅谷氏。弥乃さんが寄り添う(10月31日午後11時10分すぎ、選対事務所)

 23:53(梅谷) NHKで当確が出て、割れんばかりの拍手に包まれる。

 23:55(高鳥) 新潟6区で梅谷守氏が当確のニュース。会場は沈黙。続いて比例復活のニュースに関係者が気付き「本当か」と幹部が確認。

 23:57(梅谷) 森選対本部長の発声により、歓喜の万歳三唱。梅谷氏は「本当に皆さんと勝ち取った勝利。新潟6区の議席を奪還し、非常に重い責任を痛感している。ゆがんだ政治を真っすぐにするために、愛すべき地元のために、とことん頑張っていく」と述べた。花束贈呈後、野党共闘の政党、団体の関係者が順次あいさつした。

 23:57(高鳥) 高鳥氏と妻の里美さんが会場入り。支持者は大きな拍手で出迎える。髙橋信雄選対本部長は「総力を挙げた支援に感謝する。ひとえに私の責任だ」とおわびした。

 0:00(高鳥) 高鳥氏は「大激戦で小選挙区の議席を守れなかったのは、私の不徳の致すところ。しかし〝チーム高鳥〟の支援で、比例で5期目の当選を果たすことができた」と述べ、大きな拍手を受けた。

 0:05(高鳥) 比例当選の万歳はなく解散。集まった支持者、スタッフ全員とこぶしを合わせ、感謝の気持ちを表す。報道陣のインタビューを受け、会場を後にした。

支持者とこぶしを合わせて感謝を示す高鳥氏。声を掛けられるたび無念の表情を見せた(1日午前0時5分ごろ、上越文化会館)

 0:12(梅谷) 弥乃さんが涙ぐみながらあいさつ。「皆さまの声掛けが毎日、私を支えてくださった」と感謝を伝え、「梅谷はこれから本当に頑張ります。今後ともよろしくお願い致します」。

 0:17(梅谷) 報道陣のインタビューが始まる。

悲願達成と敗戦無念 上越市長選 

 20:50(中川陣営) 上越市西本町1の選対事務所に、中川氏が妻の明子さんと共に姿を現し、拍手で迎えられる。

 20:50(野澤陣営)

 上越市新光町1の上越商工会議所の会場に午後8時20分ごろから事務所関係者や支持者が集まりだす。10人ほどが座って待機する。

 21:00(中川) JCVの市長選開票速報の中継が始まり、中川氏は支持者らと共にテレビ画面を見守る。

 21:20(中川) 秋山三枝子選対本部長が市長選を「選対も(中川氏)本人も戦い抜いた。精いっぱいやりきったな、という思いがある」と振り返る。

 21:25(野澤) JCVの放送で陣営の様子が映し出される。内山米六選対本部長は「厳しい戦い。追い掛ける選挙。いい結果が出ると思っている」と期待感を述べる。

 21:30(中川) 中川氏が会場内の選対関係者、支持者らにグータッチをして回る。

 21:55(野澤) 会場に約50人が集まり、開票の様子が流れる画面を食い入るように見詰める。

 22:00(中川) 1回目の開票速報は対立候補と同票数。中川氏は「たくさんの方に支えてもらいながらここまできた。その積み上げが結果につながってくると思う。市長に向かって、結果発表を見守りたい」と話す。

 22:05(野澤) 1回目の開票速報は1000票で並ぶ。静かに見守る。

 22:21(野澤) 開票所の票の束が画面に映し出され、拍手も。

 22:30(中川) 2回目の開票速報も横並び。場内からは「次(3回目の速報)に期待」の声。

 22:33(野澤) 開票速報は7500票で同数。市議の支援議員団は「一緒やん、次だな」の声。

 23:00(中川) 3回目の開票速報も横並び。場内からため息が漏れる。

 23:15(中川) 開票所の中継で、中川氏の票の束が対立候補より増え始め、支持者らは大歓声。票差がはっきり表れると、宮越馨氏は中川氏の手を取り、勝ちどきを上げる。場内では勝利の瞬間に向け準備が進む。

 23:15(野澤) 映像で相手陣営に票の束が入り、「あー」「あんなに」の嘆き節。

 23:24(野澤) 拍手の中で、野澤氏が妻の三奈子さんと入場。

 23:33(野澤) 開票速報で8000票差の劣勢。集まった人たちは厳しい表情で画面を見詰める。内山本部長が「私の力不足」と敗戦の弁を述べる。

 23:35(中川) 4回目の開票速報で当選が確実となり、秋山本部長が音頭を取って万歳三唱。支持者らはクラッカーを鳴らすなどして中川新市長誕生を祝った。

万歳三唱後、支持者らと固い握手を交わす中川氏(右、10月31日午後11時40分ごろ、選対事務所)

 23:40(野澤) 野澤氏は無念の表情を浮かべ、「応援していただいた皆さんに結果を残せず申し訳ない。私が生まれた、育った、学んだ、働いた上越が光り輝くまちになるよう心から祈っている」と深々と頭を下げた。

敗戦を受け、集まった市議らと感謝の握手を交わす野澤氏(10月31日午後11時45分ごろ、上越商工会議所)

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