韓国紙「マーベル新作は歴史歪曲...日本への原爆投下を悲しむシーン...」「戦犯国の視点で描いた」

韓国紙が、公開間近のマーベルスタジオの新作『エターナルズ』について「歴史歪曲論争に包まれている」と報じている。

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韓国メディアや米国現地批評家などによると、作品に登場するキャラクター「パトス」(ブライアン・タイリー・ヘンリー)が泣き叫び、「私が何をしたというのか?もう絶対に人間を助けないだろう」というシーンにおいて「広島1945」というフレーズが挿入されるという。

複数の韓国紙によると、このシーンが日本に向けた同情ではないかということで、米国現地ネットユーザーらから批判が出ているとのこと。東亜日報は「アメリカのネットユーザーは《戦犯国である日本人の視点で作品を描いたのか》と指摘している」と伝えた。朝鮮日報は「このような歪曲を(米)国防省が承認したという事実に驚く」などの声が海外SNSで出たと伝えた。

東亜日報は、「米国が当時日本に原子爆弾を投与した理由は、宣戦布告なしに真珠湾を爆撃した日本の先制攻撃のためだった」とし、「しかし、このような前後の事情が省略された中で出てきた主人公の絶叫する場面は、まるで日本が無実の戦争被害者のように見えるようにする」と指摘した。

『エターナル』(監督クロエ・ジャオ/製作マーベルスタジオ)

朝鮮日報は、原爆開発に参加した科学者ハロルド・アグニュー博士が、2005年に広島放送局とのインタビューにおいて、生存者から謝罪要請を拒絶し、「謝罪はしない。こんな言葉がある。パールハーバーを忘れるな」と述べたことを挙げた。

東亜日報は、原子爆弾を投下した米軍爆撃機B-29機長ポール・ティベッツが1975年のインタビューにおいて「引き受けたことを実行できて誇りに思う」と述べたことや、2005年には「もし同じ状況が与えられたら私は同じようにするだろう」と述べたことを挙げた。

米国経済誌フォーブスは「エターナルズはーベル史上最悪の映画」と批判し、批評家たちは「クロエ・ジャオ監督の才能がブロックバスター映画にはつながっていない」と評したと韓国メディアは伝えている。クロエ・ジャオ監督は『ノマド・ランド』で米アカデミー賞で作品賞と監督賞を受賞している。

映画評価サイト・ロッテントマトにおいて『エターナルズ』の満足度指数は60%(1日現在)となっている。これは歴代のマーベルシリーズ作品の中で最も低い評価であるとされる。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「…世界で核攻撃を受けた国が無いのに、日本は2発も受けたんだな」

「天皇陛下万歳と言ってた国民が原爆被害者として振る舞うのを見ると笑えない…」

「観てから判断しよう」

「ボイコットだ!」

「二度と原爆投下は止めよう。戦争を止めよう」

「我が国は原爆が無ければ引き続き日本の支配を受けてただろう」

「監督が反米監督だ…」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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