ウクライナの国立アンチ・ドーピングセンター(NADC)に〝不正検査〟疑惑が浮上している。 世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が調査した結果、NADCが抜き打ちでドーピング検査を実施する際に、アスリートに抜き打ち検査をする旨を通達していたことが判明。「2年間にわたる調査の結果、ウクライナの検査機関であるNADCが日常的に標準的な検査方法に違反があったという裏付けのある証拠を発見した」と発表した。
不正ドーピングを巡っては、2019年にWADAが国家ぐるみで不正ドーピングを行ったロシアに対して4年間、国際的な主要大会から除外すると決定。実際に今夏の東京五輪・パラリンピックではロシア国旗の使用は認められなかった。
そんな中、カナダ公共放送局「CBC」は「NADCが重要な国際大会の前にしばしばこのような行為を行っていたことを示す証拠があり、代表チームの全選手がNADCで検査を待っていたこともあった」と報道。組織的な関与があったとの見方を示した。
この調査結果はコンプライアンス委員会に引き渡された上で、NADCの行為がコンプライアンス違反に該当するかを検討する方針。違反していると正式に判断された場合、ウクライナは来年の北京五輪・パラリンピックの出場を禁止される可能性がある。