自分が本当に欲しいかどうかを確認する「たった一つの問いかけ」とは

もうすぐ2年近くになる、コロナ禍による自粛生活。最近は、緊急事態宣言もあけて、外出する人も少しずつ増えているようですが、それでも、以前に比べると思い切り出かける機会は大きく減っているでしょう。

そんななか、そろそろ我慢していた買い物欲が刺激され、いろいろなものにお金を出したくなってくる時期ではないでしょうか。とはいえ、お金は無限にはわいてきませんので、本当に欲しいものに上手に使っていきたいもの。

今回は、そんな対策をお伝えします。


買い物を我慢していた“リバウンド”に注意

例えば、ダイエットにリバウンドがあるように、お金の使い方についてもリバウンドがあります。「お金を使わないようにしよう」と節約をがんばったり、「買い物がしたいけれど、なかなか行けない」という思いを抱えていたりすると、ある日突然、ブレーキがきかなくなるかのように買い物に走ってしまう現象がよくあるのです。

「今までいろいろ我慢していたからいいよね」「高くないものだから、全然贅沢ではないよね」と自分に言い聞かせながら、あまり深く考えずに買ってしまった……という経験は、誰もがあるのではないでしょうか。

もし「買ってよかったなあ」としみじみと思えるものならよいのですが、そうではなく、「なんで買ってしまったんだろう」「収納する場所もないし……」「捨てるといっても、全然使っていなくてきれいだから、もったいない」なんて思うことになれば、残念なもの。

では、そんな失敗した買い物をしないためには、どうしたらいいのでしょうか。

コツは「もう少し高くても」買いたいかどうか

そこで、買い物をするときにおすすめの、自分への問いかけを紹介します。

それは、「もう少し高くても、買いたいかどうか」と、自分に聞いてみることです。

例えばセール品として10%引きになっていたとします。10%引きだったら買おうかなと思うかもしれませんが、セールでなかった場合でも買いたいかどうかを、自分に問いかけてみるのです。

割引だけでなく、ポイント5倍や、2つ買えば、2つめが半額、今なら送料無料など、そういったオプション的な位置づけのお得感があることもありますが、それが一切なかったとしても買いたいかどうかで、本当にそのもの自体が欲しいを見極められるはずです。

もちろん、「近々10%引きになるから、そのときになったら買おう」と、ネットの“お気に入り”に入れておいたりすることは、上手な買い物ともいえます。

ですが、実際に割引されている場面になったときに、「割引されているから買う」という行動につながると、時間がたった後に、「実はいらないものだった」という可能性が高くなるでしょう。

お金について向き合うからこそ、安くても飛びつかない

特に、お金に関してあれこれと頑張って考えている人こそ、「安いから買ってしまう」という機会が多いように思います。「支出を削りましょう」という記事を読む機会が多く、安いことはいいことだ、と刷り込まれている方もいるかもしれません。

それよりも、値段がやや高いかなと思っても、本当に欲しいものであれば、もっているお金を調整しながら手に入れる価値は高いはずです。買ってから1年、2年と時間がたってからも「買ってよかったな」と思えるものこそが、いい買い物ではないでしょうか。

本当に欲しいものを手に入れると、逆に無意味な衝動買いが減っていくこともメリットです。心が満たされていれば、わざわざ目についたものに飛びつくような買い物をしなくても済むからです。

同じ1万円や5万円、10万円があるとしたら、不要なものをちょこちょこと買うよりも、本当に欲しいものに絞って、少ない数を買ったほうが、合計金額は同じだとしても、満足感は大きくなるのではないでしょうか。

不要なものを買うと、部屋の場所をとって片付けが面倒になりますし、フリマアプリで売るといっても、いろいろな手間がかかります。かといって捨ててしまうのももったいないし、さてどうしたらよいものか……という状態になることは、忙しい現代を生きる私たちは、できれば避けたいですよね。

自分の“買い物のクセ”を見極めて、お金を上手に割り振りしよう

もちろん、買い物の失敗は誰にでもあるもの。大切なことは、同じ失敗をできれば繰り返さないようにすること。

ある人は、「あえてセールの時期は買いものに行かない」と決めていると話していました。「せっかくセールだから」と、何かしら買ってしまうけれど、結局家に帰って「なんで買ったのだろう」と後悔することが多いと気づいたから、だそう。

洋服はなるべく早いシーズンに買って、長い期間着るほうが、結果的にお得だと感じている、と話していました。そういう考え方もできますよね。

秋の夜長、自分の“買い物のクセ”を見極めてみて、今後上手に買い物をしていくために、ぜひプランを立ててみてください。

上手にお金を使えるようになると、たとえお金は増えていなくても、幸福感が高まることにつながるのではないでしょうか。

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