ソフトバンクGMが語る 長谷川一軍打撃コーチ“抜擢”の理由

(左から)城所三軍打撃兼守備走塁コーチ、中田三軍投手コーチ、高谷二軍バッテリーコーチ、長谷川一軍打撃コーチ、村上打撃コーチ、小川三軍監督(球団提供)

ソフトバンクは3日、ペイペイドームで新任コーチ陣の入団会見を行った。来季に向けた組閣の注目人事で、今季限りで現役を退いた長谷川勇也外野手(36)を「一軍打撃コーチ」に抜擢した三笠杉彦GMが、その起用意図について説明した。

引退から時間を置かず、指導者への道を歩む「鷹の求道者」の進路については、かねて多くの野球ファンが興味を示していた。会見で三笠GMは「選手を引退してすぐにコーチに就任する難しさもあると思う」と前置きした上で、次のように続けた。「選手が実際に練習をする中で考えていたこと、そういうところと生で感じたところがあったりとか、他の選手と話してきたりというようなところ、そういう経験がすぐにコーチに生かせるというメリットもある」と説明。その上で、長谷川コーチゆえの〝強み〟が最たる抜擢理由であったことを強調した。「今までも〝長谷川選手〟を慕って実質指導を受けていたような若い選手もいる。そういう自分の経験と選手時代に若い選手にアドバイスしてきた経験を生かして、新しいコーチという立場で力を発揮してもらいたい」。

現役時代、その卓越した打撃技術と野球に対する真摯な姿勢に共鳴したチームメートから相談などを受けることも多かった長谷川コーチ。当時は「選手」の立場であることをわきまえつつ助言を送っていた。一緒に戦ってきた選手たちがどういうビジョンを持って練習に取り組んでいるのか。何に悩み壁にぶつかっているのか。選手に近い目線でそれらを網羅していることは何よりの〝強み〟であることを評価して、今回の起用に至ったとみられる。

選手時代、一軍の試合前練習で主力を含めた選手たちが〝長谷川詣で〟をするのは日常の光景でもあった。指導経験豊富だった立花前打撃コーチ、人間力に長け選手からの人望が厚かった平石前打撃コーチが去った中で、新一軍打撃コーチにかかる期待は大きい。

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