高濱卓也、金田和之の2選手が戦力外に FA移籍に伴う“人的補償選手”の現在

西武・内海哲也、広島・長野久義、オリックス・金田和之(左から)【写真:荒川祐史】

広島で開花した一岡は今季1軍登板なし

各球団で来季へ向けた戦力編成が進む中、ロッテは高濱卓也内野手、オリックスは金田和之投手を戦力外とした。2人の共通点は元阪神ということ以外に、FAによる“人的補償”として移籍したことが挙げられる。今季NPBでプレーした12人の人的補償経験者の、現在をチェックしてみたい。

○高濱卓也内野手(ロッテ)
小林宏之投手のFAに伴い2011年オフに阪神からロッテへ。2019年には育成契約となったものの、今年5月に支配下へ復帰。2年ぶりの1軍出場となった6月2日の日本ハム戦では弟・祐仁との同時出場も果たした。17試合で打率.125に終わりオフに戦力外通告を受けた。

○一岡竜司投手(広島)
2013年オフ、大竹寛投手のFAに伴い巨人から広島へ。移籍後はリリーフとして勝ちパターンに入り、巨人での2年間で計13試合登板だったのが広島では7年で266試合に登板、83ホールドを記録しリーグ3連覇にも貢献した。今季は1軍登板がなかった。

○奥村展征内野手(ヤクルト)
2015年オフ、相川亮二捕手のFAに伴い巨人からヤクルトへ。巨人にはわずか1年の在籍だった。2019年には74試合に出場したものの、2020年には右膝を手術。今季は16試合の出番にとどまり打率.050。

○金田和之投手(オリックス)
2016年オフに糸井嘉男外野手のFAに伴い阪神からオリックスへ。新天地1年目の2017年には34試合で4勝1敗の成績を残した。ただここ3年は1桁の登板機会しか得られず。今年は9試合で防御率4.35。11月3日に戦力外通告を受けた。

○平良拳太郎投手(DeNA)
2016年オフに山口俊投手のFAに伴い巨人から移籍。2017年こそ4試合登板にとどまったものの2018年には13試合に先発し5勝3敗、2019年は15試合に登板し5勝6敗、2020年が14試合に先発し4勝6敗とローテーションの一角を支える。今季は開幕直後に右肘の異状を訴え、6月にトミー・ジョン手術を受けた。

○尾仲祐哉投手(阪神)
2017年オフに大和のFAに伴ってDeNAから移籍。DeNAへの在籍は1シーズンだけだった。阪神では2018年に12試合に登板したのが最多で、2019年が5試合、2020年も4試合。今季は1軍登板がなかった。

新天地で兼任コーチとなる大ベテランも

○内海哲也投手(西武)
2018年オフに炭谷銀仁朗捕手のFAに伴い巨人から移籍。巨人で通算133勝の実績を誇る左腕は西武では2019年が1軍登板なし、2020年、2021年も1勝ずつにとどまった。3日には来季から兼任コーチとなることが発表された。

○長野久義外野手(広島)
2018年オフに丸佳浩外野手のFAに伴い巨人から移籍。2011年には首位打者を獲得したこともある大物は、広島でも勝負強い打撃を見せ2020年は95試合に出場し打率.285、10本塁打。今季は71試合で打率.216、2本塁打に終わった。

○竹安大知投手(オリックス)
2018年に西勇輝投手のFAに伴い阪神から加入。新天地1年目は10試合に先発し3勝2敗、防御率4.50。ただオフには右肘の手術を受け、2020年は2試合登板で1勝にとどまった。今季は17試合で3勝2敗、防御率4.44。リリーフと谷間の先発で存在感を見せた。

○酒居知史投手(楽天)
2019年オフに美馬学投手のFA補償としてロッテから移籍。2019年にロッテで54試合に投げていたタフなリリーフで、楽天1年目の2020年も46試合に登板し3勝2敗12ホールド。今季も自己最多に並ぶ54試合で4勝3敗28ホールド、防御率2.28という好成績を残し、一時はセットアッパーとしても起用された。

○小野郁投手(ロッテ)
2019年に鈴木大地内野手のFAに伴い楽天から移籍。楽天では実働5年で39試合登板にとどまったものの。ロッテでは2020年に40試合に投げ防御率3.23。今季は自己最多の49試合で0勝3敗8ホールド、防御率3.48。

○田中俊太内野手(DeNA)
2020年オフに梶谷隆幸外野手のFAによって巨人から加入。巨人でも内野の控えとして3年間で209試合に出場していたが、今季DeNAでは3月26日の古巣との開幕戦で6打点を挙げる活躍。セ・リーグの開幕戦最多打点記録だった。ただその後は調子を落とし、58試合で打率.146に終わった。(Full-Count編集部)

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