切り付けたのは「衝動的に」 喫茶店強盗殺人で被告人質問

 沖縄県那覇市具志のゲーム喫茶店で昨年5月、従業員の男女2人が刃物で首などを切り付けられ死傷した事件で、強盗殺人と強盗殺人未遂の罪に問われた糸満市の土木作業員の被告(51)の裁判員裁判第5回公判が2日、那覇地裁(大橋弘治裁判長)であり、被告人質問が行われた。カッターナイフを振るった理由を問われ「男性が動こうとする様子があり、抵抗されるんじゃないかとびっくりして衝動的に振り下ろした」と述べた。

 被害男性は、被告に命じられて反対側に顔を向けた後、突然切り付けられたと証言している。被告は、検察側から狙ったわけではないのに、たまたま2人とも首に当たったということかと問われ「そう思っている」と述べた。

 被害者参加制度に基づき、大けがを負った男性と、亡くなった女性=当時(47)=の遺族の代理人弁護士も質問。遺族代理人から女性の首からの出血を見て、助けようと思わなかったのかと問われ「パニックになり、逃げるのに必死だった」と弁解した。

 
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