ゲーム喫茶強盗殺人、被告に無期懲役を求刑 弁護側は減刑を主張

 那覇市具志のゲーム喫茶店で昨年5月、従業員の男女2人が刃物で切り付けられ死傷した事件で、強盗殺人と強盗殺人未遂の罪に問われた糸満市の土木作業員の男(51)の裁判員裁判の論告求刑公判が4日、那覇地裁(大橋弘治裁判長)であり、検察側は無期懲役を求刑した。弁護側は、殺意はなく強盗致死などの罪にとどまり、懲役20年が相当だとした。判決は12日に言い渡される。

 検察側は論告で、被告が行きつけのゲーム喫茶店の現金を奪い、従業員を殺害しようと考えたと指摘。被害者2人を複数回切りつけており、危険かつ執拗な犯行だと非難した。借金返済のための金欲しさに犯行に及んだとし「極めて身勝手で短絡的な犯行。酌量の余地は一切ない」と述べた。

 弁護側は弁論でカッターナイフで脅すだけのつもりで、殺害の意図はなかったとし、強盗致死と強盗傷人の罪にとどまると主張。仮に強盗殺人罪などが成立したとしても、自首などにより減刑されるべきで、懲役30年が相当だとした。

 起訴状によると、2020年5月25日午前6時8分ごろ、女性従業員=当時(47)=の首にカッターナイフを突き付けて、30代の男性従業員に「財布を出せ」などと要求した。男性従業員の首などを切り付けてけがを負わせたほか、女性の右腕と首を切り付け、失血死させたとしている。

 
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