“分散型”で陶器まつり 波佐見各地で7日まで 棚田ライトアップも

焼き物ファンでにぎわう「秋の陶器めぐり」会場=波佐見町井石郷

 波佐見焼の産地、長崎県東彼波佐見町の各地で3日、複数の陶磁器イベントが始まり、書き入れ時の秋シーズンが本格化した。新型コロナウイルスの感染状況が一定落ち着いていることもあり、県内外の焼き物ファンでにぎわいそう。いずれも7日まで。
 同町では新型コロナウイルス感染拡大の影響で、県内最大の陶磁器イベント「波佐見陶器まつり」が2年連続で中止に。昨年から会場や会期を分散した中小規模のイベントを「波佐見あちこち陶器まつり」と総称して展開し、事業者や来場者に感染対策を呼び掛けている。
 このうち井石郷の「陶芸の館 くらわん館」前では、県陶磁器卸商業組合(馬場幹也理事長)主催の「秋の陶器めぐり」がスタート。11商社が出店し、新商品やアウトレット品が並ぶ。「サスティナブルはじめました」をテーマに、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した循環型産地をPR。欠陥があるが十分に使用できる商品を「HASAMI DROP」として格安販売したり、陶磁器の製造工程で発生する「廃石こう型」を使って照明器具やプランターを作るワークショップコーナーを設けたりしている。

廃石こう型を再利用するワークショップに取り組む参加者=波佐見町井石郷

 他に、県道1号沿いの9店舗で開く「波佐見やきもの通り秋まつり」、16窯元が波佐見陶磁器工業協同組合前に出店する「波佐見窯元まつり」などが開始。6、7両日午後5時~9時は、鬼木郷の棚田をライトアップするイベントもある。

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