補強大成功のブレーブス 途中加入選手の活躍で勝ち取ったWS制覇

アストロズを4勝2敗で破り、1995年以来26年ぶり、球団史上4度目となるワールドシリーズ制覇を成し遂げたブレーブス。若きスター外野手のロナルド・アクーニャJr.や昨季の二冠王マーセル・オズーナ、さらにはエース格の右腕マイク・ソローカが故障で長期離脱するなど、決して順風満帆なシーズンではなかった。そんな窮地を救ったのがアレックス・アンソポロスGMが7月に敢行した「外野手の乱獲」だ。途中加入選手の活躍がワールドシリーズ制覇につながった。

前半戦終了間際にアクーニャJr.が今季絶望となったことを受け、アンソポロスは「外野手の乱獲」を敢行。マーリンズからアダム・デュバル、カブスからジョク・ピーダーソン、インディアンスからエディ・ロサリオ、ロイヤルズからホルヘ・ソレアーと実績十分の外野手を4人もチームに加えた。この4人のうち、ロサリオはリーグ優勝決定シリーズ、ソレアーはワールドシリーズでMVPを受賞。両シリーズのMVPを同一チームの途中加入選手が占めるのは史上初だった。

また、ブレーブスはシーズン途中で加入した選手がポストシーズンで合計12本塁打(4人の外野手が各3本)を記録。エリアス・スポーツ・ビューロー社によると、これは史上最多の数字である。さらに、ブレーブスはレギュラーシーズンとポストシーズンの合計で、開幕ロースターに登録されていなかった選手が59本塁打。これも史上最多記録となった。

ソレアーはワールドシリーズだけで3本塁打を記録(ポストシーズンの1シリーズで3本塁打は球団タイ記録)。第1戦で先頭打者アーチ、第4戦で代打決勝アーチ、第6戦で場外先制アーチを放った。単年のワールドシリーズでチームにリードをもたらす本塁打を3本以上放つのは、1926年のベーブ・ルース(ヤンキース)、1928年のルー・ゲーリッグ(ヤンキース)、1972年のジーン・テナス(アスレチックス)、2015年のカーティス・グランダーソン(メッツ)、2017年のジョージ・スプリンガー(アストロズ)に次ぐ史上6人目の快挙である。

キューバ出身の選手がポストシーズンのシリーズMVPに選ばれるのはソレアーが4人目だが、ワールドシリーズに限れば、1997年のリバン・ヘルナンデス(マーリンズ)に次いで2人目だ。ソレアーのワールドシリーズMVP受賞は「途中加入選手の活躍で勝ち取った世界一」の象徴となった。

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