16年真鶴町長選でも名簿不正複写 松本町長が辞職「青木健氏に提供」 青木氏は「もらった記憶ない」

辞職を前に町議会臨時会に出席する松本一彦町長=4日午後2時ごろ、真鶴町役場

 神奈川県真鶴町の松本一彦町長(55)が選挙人名簿抄本を不正にコピーし、町長選で利用などしていた問題を巡り、松本氏は4日、2016年に行われた同町長選でも名簿を不正に複写し、持ち出していたことを明らかにした。松本氏は、同年の町長選に立候補した元町長の青木健町議に名簿を提供したとしたが、青木氏は「もらった記憶はない」と否定した。町議会は同日、臨時会を開き、松本町長の辞職願に同意、松本町長は同日付で辞職した。

 松本氏は臨時会後に会見し、今回の問題について「町民の期待を裏切った。今後は町民への謝罪を尽くしたい」と改めて頭を下げた。

 会見で松本氏は町健康福祉課副課長だった16年、庁舎内に保管されていた全有権者約6800人分の選挙人名簿のコピーを持ち出したことを新たに説明。同年9月の町長選に立候補した青木氏から「選挙人名簿がないかとお願いされた」と主張。一方、会見に同席した青木氏は「名簿を依頼した記憶はない」と反論した。

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