逆転タイトル目指すトヨタ8号車が首位発進【タイム結果】2021年WEC第6戦バーレーン FP1

 WEC世界耐久選手権2021年第6戦バーレーン8時間レースは11月4日(木)、走行初日唯一のセッションとなるフリープラクティス1(FP1)が90分にわたって行われ、現在ドライバーズランキング2位で、最終戦での逆転タイトルを目指すトヨタGAZOO Racingの8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー)がトップタイムをマークした。

 2021年のWECもいよいよ最終戦。富士6時間レースの開催が中止されたことにより、その代替戦となる第5戦の6時間レースが、10月30日に同じくバーレーンで開催された。それから5日後、バーレーン・インターナショナル・サーキットには再びWECマシンの咆哮が轟いた。

 第6戦決勝は現地時間6日14時スタートの8時間レース。レース後半は夜の走行となることから、FP1も夜の時間帯に設定された。

 現地時間17時30分(日本時間23時30分)、気温29度/路面温度34度というコンディションでセッションはスタート。ハイパーカークラスでは、トヨタ7号車GR010ハイブリッドは小林可夢偉、8号車はハートレー、アルピーヌ・エルフ・マットミュートの36号車アルピーヌA480・ギブソンはニコラ・ラピエールから、走行を開始した。

 開始早々、8号車ハートレーは1分48秒490をマークしトップに。7号車可夢偉が0.408秒差の2番手に続いた。トヨタの2台はこの1アタックを終えるとすぐピットへと戻り、8号車はこのレースを最後にレギュラードライバーから勇退する一貴へ、7号車はマイク・コンウェイへと交代して、周回を重ねた。

 セッション中盤、8号車はブエミへとバトンタッチ。続いて7号車がホセ・マリア・ロペスへと交代した。終盤には8号車が再度ハートレーへ交代するも、セッション序盤のベストタイム更新はなく、8号車が首位で最初のセッションを終えた。

 ここへ来てBoP(性能調整)をめぐる議論が騒がしくなっているLMGTEプロクラスでは、ポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSR-19(ケビン・エストーレ/ニール・ジャニ/マイケル・クリステンセン)がベストタイムをマーク。

 対するフェラーリ(AFコルセ)勢の2台の488 GTE Evoは、セッション前半にピットアウト/インを繰り返し、中盤を過ぎて本格的な走行を開始した後もピット回数が多く、タイムシートではLMGTEアマクラスよりも遅い、全体の最下位となっているのが気になるところだ。

 LMP2クラスでは、リアルチーム・レーシングの70号車オレカ07・ギブソン(エステバン・ガルシア/ロイック・デュバル/ノルマン・ナト)がクラストップタイムをマーク。

 LMGTEアマクラスはアストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージAMR(ポール・ダラ・ラナ/アウグスト・ファーフス/マルコス・ゴメス)が首位。星野敏と藤井誠暢がドライブするDステーション・レーシングの777号車アストンマーティンはクラス4番手、木村武史のケッセル・レーシング57号車フェラーリはクラス10番手だった。

 走行2日目となる11月5日(金)は、FP2、FP3、そして決勝のスターティンググリッドを決する予選のセッションが行われる。

■2021年WEC第6戦バーレーン フリープラクティス1回目暫定結果

Pos. No. Class Team Car Driver Tyre Time

1 8 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド S.ブエミ
中嶋一貴
B.ハートレー MI 1’48.490

2 7 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド M.コンウェイ
小林可夢偉
J-M.ロペス MI 1’48.898

3 36 HYPERCAR アルピーヌ・エルフ・マットミュート アルピーヌA480・ギブソン A.ネグラオ
N.ラピエール
M.バキシビエール MI 1’49.479

4 70 LMP2 ProAm リアルチーム・レーシング オレカ07・ギブソン E.ガルシア
L.デュバル
N.ナト GY 1’50.792

5 28 LMP2 JOTA オレカ07・ギブソン S.ゲラエル
S.バンドーン
T.ブロンクビスト GY 1’50.820

6 29 LMP2 ProAm レーシング・チーム・ネーデルランド オレカ07・ギブソン F.バン・イアード
G.バン・デル・ガルデ
J.バン・ウィタート GY 1’51.008

7 38 LMP2 JOTA オレカ07・ギブソン R.ゴンザレス
A.F.ダ・コスタ
A.デビッドソン GY 1’51.182

8 22 LMP2 ユナイテッド・オートスポーツUSA オレカ07・ギブソン P.ハンソン
F.シェーラー
F.アルバカーキ GY 1’51.192

9 31 LMP2 チームWRT オレカ07・ギブソン R.フラインス
F.ハプスブルク
C.ミレッシ GY 1’51.199

10 34 LMP2 インターユーロポル・コンペティション オレカ07・ギブソン J.スミエコウスキー
R.バン・デル・ザンデ
A.ブランドル GY 1’51.793

11 20 LMP2 ProAm ハイクラス・レーシング オレカ07・ギブソン A.フィヨルドバッハ
D.アンデルセン
R.クビサ GY 1’52.145

12 1 LMP2 リシャール・ミル・レーシング・チーム オレカ07・ギブソン T.カルデロン
S.フローシュ
B.フィッセール GY 1’52.385

13 21 LMP2 ProAm ドラゴンスピードUSA オレカ07・ギブソン H.ヘドマン
J-P.モントーヤ
B.ハンリー GY 1’53.252

14 44 LMP2 ProAm ARCブラティスラバ リジェJS P217・ギブソン M.コノプカ
O.ウェッブ
N.パンチアティシ GY 1’53.815

15 92 LMGTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR-19 K.エストーレ
N.ジャニ
M.クリステンセン MI 1’57.657

16 91 LMGTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR-19 G.ブルーニ
R.リエツ
F.マコウィッキ MI 1’58.013

17 98 LMGTE Am アストンマーティン・レーシング アストンマーティン・
バンテージAMR P.ダラ・ラナ
A.ファーフス
M.ゴメス MI 1’58.093

18 56 LMGTE Am チーム・プロジェクト1 ポルシェ911 RSR-19 E.ペルフェッティ
M.カイローリ
R.ペーラ MI 1’58.321

19 47 LMGTE Am チェティラー・レーシング フェラーリ488 GTE Evo R.ラコルテ
G.セルナジョット
A.フォコ MI 1’58.629

20 777 LMGTE Am Dステーション・レーシング アストンマーティン・
バンテージAMR 星野敏
藤井誠暢
A.ワトソン MI 1’58.697

21 83 LMGTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo F.ペロード
N.ニールセン
A.ロベラ MI 1’58.921

22 33 LMGTE Am TFスポーツ アストンマーティン・
バンテージAMR B.キーティング
D.ペレイラ
F.フラガ MI 1’59.000

23 54 LMGTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo T.フロー
F.カステラッチ
G.フィジケラ MI 1’59.050

24 77 LMGTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR-19 C.リード
J.エバンス
M.キャンベル MI 1’59.339

25 88 LMGTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR-19 K.アル・クバイシ
A.ジェレリーズ
J.アンドラウアー MI 1’59.552

26 57 LMGTE Am ケッセル・レーシング フェラーリ488 GTE Evo 木村武史
M.イェンセン
S.アンドリュース MI 1’59.723

27 60 LMGTE Am アイアン・リンクス フェラーリ488 GTE Evo C.スキアヴォーニ
A.ピッチーニ
M.クレッソーニ MI 1’59.857

28 85 LMGTE Am アイアン・リンクス フェラーリ488 GTE Evo R.フレイ
S.ボフィー
K.レッグ MI 2’00.143

29 86 LMGTE Am GRレーシング ポルシェ911 RSR-19 M.ウェインライト
B.バーカー
T.ギャンブル MI 2’00.431

30 52 LMGTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo D.セラ
M.モリーナ MI 2’00.631

31 51 LMGTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo A.ピエール・グイディ
J.カラド MI 2’00.677

※リザルトは編集部集計

FP1でトップタイムをマークしたトヨタ8号車のブレンドン・ハートレー
LMGTEクラスでワン・ツー発進となったポルシェGTチームのポルシェ911 RSR-19

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