<金口木舌>動物との触れ合い

 スマートフォンに保存されている写真を整理した。数年前、沖縄こどもの国で撮った家族写真が目にとまった。子どもたちの好きなキリンの前で撮影したものだ。背後で長い首をこちらに向けるアミメキリンのキボウは4月に死んだ

▼年に数回は家族で訪れている。写真を見返すと子どもの成長とともに、動物たちの移り変わりも感じる。悲しい別れだけではない。絶滅危惧種のマレーグマが2月に大阪府の動物園から仲間入りした。7~8月にはヤクシマザルの赤ちゃんが相次いで生まれた

▼8月5日に生まれた赤ちゃんの名前はSNSで募集され「ツナマヨ」に決まった。メイン売店で名前にちなんだ「ツナマヨパン」が販売され、連日完売の人気だという

▼1日に開設した公式オンラインショップは脱皮したヘビの皮を使ったカードなどを扱う。キリンやウサギのふんを乾燥させ、樹脂で包んだビーズを使った「うんちストラップ」もある。動物を熟知したスタッフでなければ作れないグッズだ

▼コロナ禍で全国の動物園が休園を強いられ、入場料収入が激減した。えさ代などを支援する動きが広がっている。動物たちの映像を有料で配信して収益を寄付する取り組みもある

▼この2年間で動物と触れ合う方法も様変わりした。多くの人が感染のリスクを避けつつ、多様な方法で動物たちの魅力に触れてほしいと願う。

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