「気軽に話しかけて」鷹・王貞治球団会長が若手ナインの“直撃”大歓迎する意図

練習前にナインに訓示する王貞治球団会長(東スポWeb)

ソフトバンクの特別チームアドバイザーに就任して〝現場復帰〟した王貞治球団会長(81)が秋季キャンプ初日の4日に若手ナインに首脳陣への「突撃指令」を出した。

練習前の訓示で「コーチの人たちを君たちが活用しないといけない。自分が教えてくれという方が近道なんだから。こういうところを求めているということがコーチの人にも分かる。自分のやってみたいこと、知りたいことをドンドン聞いていくように」と熱弁。

その意図について「コーチの人が教えて選手が言う通りにやるというケースが多かったけど、この世界はそんなに長いことできるわけじゃない。世代交代の時ですから。自分でこういうふうになりたい、と。積極的に自分のためにコーチを活用してやりなさいという話をしました」と説明した。

自らへの〝直撃〟も大歓迎しているからこそのメッセージだ。チームスタッフはこう話す。「もちろん、自分にもドンドン聞いてきてほしいという思いもあるからですよ。ここ最近はファームに通う頻度も増えてました。今の若い選手たちに考え方を伝えていきたい思いは強く持たれてもいる。そのために新しい肩書きがついたわけですから」。

実際、今年の春のキャンプでは、休日にリチャードがホテルの食堂で食事を終えた王会長に「横いいですか」と思い切って声をかけたところ、大歓迎で熱いアドバイスをもらっている。食堂のクローズの時間を大きくオーバーして、従業員から申し訳なさそうに退店をお願いされるまで談義は盛り上がったという。

受け身で〝王アドバイス〟をもらうこともプラスになるだろうが、何気ない一言も含めて主体的な質問から得られるものはより大きいはず。「これまで以上に気軽に話しかけてほしい」との思いはホンネ。熱心な若手の登場を心待ちにしている。

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