【新日本】ザック・セイバーJr.の〝回答状全文〟特別公開 IWGP世界戦への思いを完全独白

IWGP戦にかける思いを激白したザック(東スポWeb)

新日本プロレス6日のエディオンアリーナ大阪大会でザック・セイバーJr.(34)がIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)に挑戦する。本サイトでは王座戦を前にザックに3つの質問を送り、その回答を受け取った。「コーヒーを飲み過ぎて興奮してしまったから、必要な分だけ記事に使ってくれ」と追伸があるほどの長文に、今回の王座戦への思いが詰まっており、改めて全文を公開する。

【質問1】今回の王座戦の勝算と、IWGP世界ヘビー級王者になった後の目標は

ザック 勝利を保証するのは愚かなことだが、タイトルマッチを前にしてこれまでで最も自信が持てた。鷹木が非常に強く、何よりも情熱的であることを知っている。そして彼が王者になるまでの道のりはとても長く、とても厳しいものだった。

今回の試合は、俺のキャリアの中で最も重要な試合であるだけでなく、俺の人生の中で最も困難な試合になると思う。大阪では、鷹木信悟の最高の姿を期待している。しかしそれでも俺は勝つ自信がある。

俺の人生はこの瞬間のために積み重ねられてきた。14歳の時に高校の進路指導の先生に「日本でチャンピオンになる」と言った。日本に来て10年になる。これ以上の準備はないと思う。

勝利への鍵は「テッカーズ」だ。テクニカルレスリングは人生の中で最も情熱を注いできたものであり、一人で世界中を旅して学んできたことは、この瞬間のために構築されたものだ。俺はテクニカルレスリングだけでなく、プロレス全体を次のレベルに引き上げるレスラーなんだ。

王者としての野望は、プロレスラーとは何かというこれまでの認識を打破することだ。俺はクラシックレスリングとモダンレスリングの懸け橋であり、IWGP世界ヘビー級王者になることで、その変化の始まりを告げることができると考えている。俺はステレオタイプのプロレスラーには見えないかもしれないが、ブリティッシュ&キャッチ・レスリングの伝統は俺だけでなくNJPWの血筋にも流れている。俺は、伝統的なプロレスを現代的なレンズで表現した人物だ。自分のスタイルをジャンルに例えるなら「ポスト・ストロング・スタイル」なんだ。

故マーク・フィッシャー氏(英国の批評家)がかつて言ったように「われわれは未来を発明しなければならない」。チャンピオンになったら特別なレガシーをつくる必要があるが、タイトルを守るために3人の名前が頭に浮かんでいる。柴田勝頼、ブライアン・ダニエルソン、…あとボブ・サップだね。そしてその後は、いつものヤツら(棚橋弘至、オカダ・カズチカ、飯伏幸太、内藤哲也)を倒して、世代間のギャップを変えていきたい。

【質問2】ヘビー級のIWGPでシングルとタッグの同時戴冠は、1997年の佐々木健介を最後に24年間成し遂げられておらず、達成者も過去に4人しかいない。ワールドタッグリーグ(14日、後楽園ホールで開幕)も控えるなかで、2冠の両立についてどう考えているか

ザック タッグ王者としてG1に参戦したので、世界ヘビー級王者としてタッグリーグに参戦するつもりだ。俺はシングルでの成功により、タッグ部門のレベルをさらに上げたいと思っている。

真の偉大なレスラーは、どちらの部門でもトップに立つべきだ。そして、日本のプロレスの栄光の時代である90年代の新日本や全日本では、2つの部門の間でもっと動きがあったので、そのやり方を取り戻したい。それを証明するために、ダブルチャンピオンとしてタッグリーグを制覇したいと思う。

来年はレッスルキングダムが3大会(1月4、5日・東京ドーム、8日・横浜アリーナ)があるので、全力で戦うには絶好の機会だ。タッグ王座もヘビー級王座も問題なく防衛できる。新しい年の始まりは、俺にとってとても忙しくなりそうで待ちきれないね。

【質問3】G1クライマックス覇者のオカダ・カズチカの言動が話題になっている。彼の言動や、封印されたはずの4代目IWGPヘビー級を持ち歩いていることについてどう思っているのか

ザック 俺はブリーフケースのシステムが好きではなかったので、それがなくなってうれしいね。おもちゃを持つ子供のようにオカダが4代目ベルトを持ち歩くべきだと思うかどうかは別問題だけどね、ハハ。ウィル・オスプレイが米国でおもちゃのベルトを持ち歩いたことに対するオカダなりの反応なんだと思う。

俺が気にしているのは、事実だけだ。鷹木信悟は本物の世界ヘビー級王者だ。チャンピオンシップが新しくなろうが、旧ベルトがなくなったことをファンが嫌がっていようが関係ない。鷹木こそが本物の王者であり、俺の関心事はそれだけだ。

俺はオスプレイには勝てなかったので、王者になったら彼を相手にタイトルを防衛し、自分が世界最高の英国人レスラーであるだけでなく、日本で最強の外国人レスラーであることを証明しなければならない。そして、もしオカダが(6日の大阪大会で)タマ・トンガに勝てば、G1優勝者として東京ドームでの挑戦権を得ることができる。ここまでが俺が気にしている事実だ。それ以外のことは、子供がおもちゃでバカみたいに遊んでいるだけのことだよ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社