【衆院選2021】河野、小泉氏応援は勝率5割超 演説中に「勝ち虫」、ご利益も?

応援演説中に右手にトンボが止まり、驚く小泉氏。トンボには「勝ち虫」の別名も=10月29日、横浜市保土ケ谷区内

 10月31日投開票の衆院選で、自民党の応援弁士として存在感を示したのが、神奈川県内選出の河野太郎党広報本部長(神奈川15区)と小泉進次郎前環境相(11区)だ。河野氏は党総裁選で岸田文雄首相に敗れ、河野氏を担いだ小泉氏も無役となり、ともに“冷遇”とささやかれるが、応援に入った小選挙区の勝率はいずれも5割を超えた。

 応援弁士は党本部や候補者からの依頼で、接戦や劣勢が伝えられる選挙区に出向くことが多い。神奈川新聞社は公示日から選挙戦最終日までの12日間の河野、小泉両氏が応援に入った選挙区を党ホームページやツイッターなどで確認した。

 河野氏が応援に入ったのは少なくても48選挙区。26人が競り勝ち、勝率は54.16%。一方、小泉氏が応援に入った38選挙区の勝敗を見ると、26人が議席を獲得し勝率は68.42%に上った。比例復活は河野氏14人、小泉氏8人で、多くが接戦だったことを物語った。

 「こんなことってあります?」。選挙戦終盤の29日には、神奈川6区の新人古川直季氏の応援演説をしていた小泉氏の右人さし指にトンボが止まり、聴衆がどよめく場面があった。

 トンボは後退せず、前にしか進まないことから「勝ち虫」として武将に好まれた縁起の良い虫。育児休暇について話をしていた小泉氏は「このトンボも羽休めをしたかったんでしょうね」と応じ、笑いを誘った。

 その御利益もあってか、古川氏は立憲民主党前職との激戦を制し、初当選を決めた。

© 株式会社神奈川新聞社