【新型コロナ】神奈川県内のブレイクスルー感染 9月末までに2717人 うち死者は10人

ブレークスルー感染の実態や第6波対策について意見交換した県感染症対策協議会=県庁

 新型コロナウイルスのワクチン接種後に感染する「ブレークスルー感染」について、神奈川県内では6月から9月までの4カ月間で2717人確認され、全感染者数の2.56%だったことが5日、県の調査で分かった。同日開かれた県感染症対策協議会で県が報告した。

 県によると、4カ月間の全感染者10万6074人のうち、ワクチンの2回目接種後に感染が確認されたのは2717人。男女比は男性40%、女性60%で、年代別では70代以上が33%、60代16%、40代・50代が各15%、20代11%、30代9%、10代1%だった。

 2回目接種から発症までの経過日数は、14~27日後が22%で最も多く、28~41日後(21%)、42~55日後(17%)と続き、98日以降は10%だった。

 接種者の多くが高齢者だったこともあり、ブレークスルー感染者のうち死亡者は10人(0.37%)で、未接種の感染者数に対する死亡者366人の割合(0.35%)とほぼ変わらなかった。ただ、60代以上の死亡割合は0.76%で、未接種者の割合(4.22%)に比べてかなり低かった。

 ブレークスルー感染者の発生率はワクチン接種者の0.11%以下と低く、県の阿南英明・医療危機対策統括官は「ブレークスルー感染は一定程度発生するが、2回接種することで死亡率や入院に至る率は低下する」と説明。接種率向上の重要性を強調した。

 県はまた、「第6波対策」として最大確保病床を拡大する計画整備を公表。国は入院患者の受け入れ態勢を今夏のピーク時より2割増やすよう都道府県に求めており、県は6段階フェーズ(0~5)の「5(一般医療の制限を伴う)」を最大2300床から約2500床まで拡充するとした。

© 株式会社神奈川新聞社