ACOとSROがアジアン・ル・マン開催に向け協力。GTWC王者へのル・マン招待枠提供も発表

 11月5日、ル・マン24時間を運営するACOフランス西部自動車クラブと、GTワールドチャレンジ等GT3レースを中心にプロモートするSROモータースポーツ・グループは、2023年のアジアン・ル・マン・シリーズ開催に向け、ACO、SRO、そしてALMEMアジアン・ル・マン・エンデュランス・マネージメントが協力すると発表した。

 今回の新しい契約では、ACO、SRO、ALMEMのすべての関係者が緊密に協力し、シリーズの継続を成功させ、各組織が専門知識を提供しあう。また、ACOとSROの新たな取り組みに加え、多くのスポーツカーチームが求めるル・マン24時間の招待枠が、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのチャンピオン、アジアン・ル・マン・シリーズとGTワールドチャレンジ・アジアを合算したチャンピオンに与えられることになった。

 アジアン・ル・マンはACOによって立ち上げられたシリーズで、LMP2、LMP3、GT3が参加。チャンピオンにル・マン24時間の参戦枠が与えられることから、日本をはじめアジア各国、さらにヨーロッパからのエントリーを集め近年台数が増えていた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020-2021シーズンは中東のドバイ、アブダビでの集中開催となったが、ヨーロッパから強豪チーム、ドライバーが多数参戦していた。

 カレンダーを含む2023年のシリーズの詳細は今後発表されるが、これまでGTカーのイニシアチブを取り合ってきたACOとSROの協力関係構築は、ある意味歴史的とも言えるものだろう。

「このコラボレーションは、アジアン・ル・マンの成功と発展を確実にするための最良の方法だ。3社の専門知識はそれぞれ有益だ。ACOとともに、ステファンはヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)の立ち上げに大きな役割を果たしてきた。我々はこのスポーツのビジョンに関して、多くの同じ価値観を共有している」とACOのピエール・フィヨン代表は語った。

 またSROモータースポーツ・グループのステファン・ラテルは「2023年のアジアン・ル・マンでACOとALMEMと協力できることは、私にとって大きな喜びだ。このコラボレーションに向けたベンジャミン・フラナソビッキ、ポール・ヤオ、および彼らのSROモータースポーツ・アジアの働きに感謝したい」と語った。

「わずか数年でGTワールドチャレンジ・アジアはこの地域で最も重要なシリーズのひとつになったが、アジアン・ル・マンとの新たな関係でさらなる成功が続くと確信している。また、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパからル・マン24時間への招待枠を用意してくれたACOとALMEMにも感謝している」

「これはGTカテゴリーの世界的な成功のために協力する我々の組織の決意を示している。我々のスポーツにとって非常にエキサイティングな期間の始まりで、SROがその約束を果たすことをうれしく思う」

2020-21アジアン・ル・マン・シリーズ第3戦アブダビのスタートシーン

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