坂田利夫との漫才コンビ「コメディNo.1」で一世を風靡した前田五郎(本名・前田邦弘)さんが10月17日に死去していたことが5日、分かった。79歳だった。
関係者によると、前田さんは定期的にトークライブを開催していたが、今年7月の出演を最後に体調を崩し入院していたという。本人の強い意向もあり、死因や喪主は公表されていない。
前田さんは1963年に吉本新喜劇に入団。67年に坂田とコメディNo.1を結成。坂田に「お前はアホか」とツッコミまくり、「アホの坂田」のキャラが定着。72年に発売したシングル「アホの坂田」は大ヒットした。
72年に上方お笑い大賞金賞受賞、79年に上方漫才大賞受賞と人気を博したが、09年に吉本興業とのトラブルからコンビ解散。マネジメント契約も解消された。契約解除後は1人で活動してきたが、長女の前田真希と次女前田まみは吉本新喜劇に所属している。
前田さんの近況を知る芸能関係者は「吉本を契約解除されてからも、若手が出るようなお笑い賞レースや落語の彦八まつりにも顔を出していた。周りに迷惑をかけまいと思ったのか、『普通の客として来とるだけや』と話していましたが、いつも長時間、若い子のネタを真剣に見ていました」と明かす。
お笑いに対する思いが尽きることはなかったようだ。