イカゲーム出演俳優が韓国で差別被害 バスで顔面にキャベツ投げつけられる「涙出た」

イカゲームが空前のヒットを記録している(ロイター)

動画配信サービス「ネットフリックス」の韓国ドラマ「イカゲーム」に出演したフィリピン人俳優のクリスチャン・ラガヒルが、韓国で人種差別被害にあったことを告白して大きな波紋を呼んでいる。

同作は驚異的な視聴者数を記録しており、サッカー界でも欧州各国のクラブがコラボ企画を行うなど世界中を席巻している。ラガヒルもヒット作に出演して大ブレークを果たしたが、その裏で異国の地で壮絶な人種差別を受けていた。

ラガヒルはユーチューブチャンネル「アジアンボス」のインタビューで「韓国で人種差別を受けた。50代の女性がバスで私の顔にキャベツを投げて怒ってきたんだ」と衝撃の事件を明かし、韓国メディア「ウィキツリー」がその様子を詳報した。

事件の経緯はこうだ。ラガヒルがバスの後部座席に座っていたところ、問題の女性がじっと自身のことを見つめていた。するとその女性は突然ラガヒルの顔面めがけて大きなキャベツを投げつけ、かけていたメガネが割れ負傷。痛みなどで前を見られないほどだったという。

動揺したラガヒルはこの女性に「なんで顔に野菜を投げたのか」と問い詰めると、驚きの返答が。「あなたは韓国人ではないのでバスから降りてほしい。これは韓国人が乗るバスだ!」と罵倒され、人種差別被害を受けたというのだ。さらにラガヒルが傷ついたのが、周囲が見て見ぬふりをしていたこと。

「バスにいる誰も自分を助けてくれなかったし、その時韓国語も上手くできず、何もできなかった。涙が出た」と悲痛な叫びを上げた。

人気俳優の告白に韓国内では賛否両論が沸き起こった。同メディアは韓国民の声を伝え、「韓国のおばちゃんは食材を投げない」、「最近そんなことがあればすぐに記事になるだろう」とこの話自体が〝デマ〟と批判する声が噴出。

さらには「すべての韓国人を人種差別主義者にする発言だ」とラガヒルに対して非難が集中している。

一方で擁護派もいて「代わりに謝罪したい」「私がその場にいたら絶対そんなことはさせなかった」などとラガヒルを気づかう意見も出ている。

人種差別が絡んだ傷害事件だけに、今後問題は拡大しそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社