【高校発みやざきSDGs】ー34ー高千穂(上) 地域貢献へ生徒提案

高千穂高生による早朝の集団登校見守り風景

 「おはようございます」。観光客が行き来する神殿(こうどの)通りの早朝は、集団登校する小学生のあいさつが飛び交う。その小学生を保護者や先生が見守っている。この見守り活動を本校生徒も各学期に1週間ほど「防犯活動」として行っている。「お世話になっている地域に何かできないか」という生徒の発案は約15年にわたる生徒会の活動となり、今でも交代で全校生徒が参加している。さらに長期休業中には、出身小学校の登校日に下校を見守るなど、活動の幅を広げる試みも行われている。

 このような伝統を持つ本校では、ここ数年、さらに生徒による地域貢献に向けた提案が盛んになった。観光スポットの高千穂峡や高千穂神社などでは、校内ボランティアクラブ「インターアクト」が高千穂町と連携して神社の落ち葉清掃などの活動に取り組んでいる。

 また、特別クラブ「まちなか観光案内」は、週末に案内所で観光案内などを行っている。これは、中学時の活動を高校でも継続したいという生徒の要望が学校を動かし、観光協会との連携で始まったもの。ガイドに必要な知識の習得に取り組み、学びを直接地域社会に役立てている。外国人観光客の応対にも「場数次第で慣れていくはず」と考えて挑戦する積極性は、いかにも若者らしい。

 地域の課題を「自分事」として捉える中から生まれた生徒のアイデアを、学校と地域で即座に取り組みにつなげられる環境は、本校ならではの特徴であろう。
(教諭・吉田弘志)

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