10月31日午後11時55分、立憲民主党の梅谷守氏が新潟6区で初当選との報が流れると、「小選挙区議席死守」を掲げ戦った高鳥修一氏の陣営は長い沈黙を余儀なくされた。
選対には公示前から危機感があった。相手は前回選で2212票差まで詰め寄った梅谷氏。後手に回り続けた政府の新型コロナ対策や国民から寄せられる党への不満。さらに公示直前、元参院議員風間直樹氏の不出馬。「風間は旧民主党。梅谷に票が流れる可能性は十分ある」と選対関係者は悩んだ。
上越地域3市と十日町市、津南町で支援組織と県議、市・町議を総動員。連夜開いた個人演説会は、農村部なら米価下落対策、都市部なら新型コロナに伴う経済対策にテーマを絞り、「実績があり、頼りになる」と徹底して訴えた。安倍晋三元首相、西村康稔前経済再生担当相といったビッグネームも応援に駆け付けた。梅谷氏優位で推移した世論調査も、最後は横一線に持ち込んだ。「前回は有権者の反応が良かったのに追い詰められた。今回はそれより良かったと思う」(選対関係者)。
結果、上越市では前回選より200票詰めたものの、強固な地盤を誇った十日町市、糸魚川市で大きく引き離すことができず、妙高市では引っ繰り返された。細分化された支持組織の機能不全や支持者の高齢化、無党派層対策は議席奪還への課題だ。「全ては私の不徳の致すところ」と述べた高鳥氏は今後、国会での働きとともに有権者との向き合い方も問われる。
現行制度導入後、9回目の今回。自民系対非自民系の対決は4勝5敗と非自民系がリード。同様に県内6小選挙区の勝敗も野党系が勝利した。与野党とも次の「天王山」、来年夏の参院選に照準を合わせている。