最終周で勝利を逃したカルソニック星野監督「申し訳ない。ふたりは最高の走りだった。チャンピオンの走りだった」【第7戦GT500決勝】

 スーパーGT第7戦ツインリンクもてぎ。GT500クラスはカルソニック IMPUL GT-RとARTA NSX-GTがレース中盤から一騎打ちで優勝を争う展開となり、最後はトップのカルソニックがガス欠でスローダウン。ARTAが優勝し、カルソニックは3位でチェッカーを受けることになった。

 チームによると、ピットインでの給油は問題なく、後半スティントを担当した平峰一貴も燃費をセーブして走行していて、チェッカー後にガス欠になる計算だったというが、無念にもファイナルラップで足りなくなってしまった。原因究明はこれからになるが、カルソニックの星野一義監督はレース後、ギリギリまで攻めたドライバー、そしてチームの戦いを讃えた。

「結果的に3位になってしまったけど、GT-Rとチームインパル、ベストを尽くした。データでは3リットル足りているんだよね。計算では足りているけど、吸い残しがあったのだろうね」

「ドライバーふたりには言葉を掛ける前に謝った。申し訳ない。こちらのデータで残っているといっても、やはり申し訳ない。でも、今日は最高の走りだった。チャンピオンの走りだった。ふたりを褒めてあげたい」

「(ドライバーの)ふたりは頑張ったどころか、トップのなかのトップよ。すごいドライバーだよ。平峰(一貴)も苦い飯を喰っていた時期があったし、松下(信治)もヨーロッパから帰ってきて再就職先を探していて、『よし! ウチに来い、磨いてやる!』って来て、チャンスを与えたら、ふたりともいいドライバーだよ。優等生ぶっているドライバーより、勢いがあるヤツの方がいい」

「この前のスーパーフォーミュラでも鈴鹿で関口(雄飛)がいい走りをしたし、平川(亮)も良かった。平川がヨーロッパにチャレンジしたいというなら、『思いっきりやれ!』と、そうやって送り出すのがウチだから。ウチはもう、なんでも磨いちゃうからね」

「今日のレースも最後まで文句なし。チームもピット作業が素晴らしかったし、ドライバーもすべて素晴らしいレースだった。まだまだ、これから20年くらい続けたいよ。でも、本山(哲)とか脇阪(寿一)とかがチームを持ってやってくれるようにならないと困るよね」

「最終戦も、もちろん頑張ります。ドライバーたちには思いっきりやらせてあげたい」

 レース後、陽が傾いて寒さが増したツインリンクもてぎだったが、星野監督の眼差しは、最後まで温かかった。

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