【セCS】巨人連勝!虎退治〝陰の立役者〟は爆笑プレーの小林誠司という声

巨人のムードを変えた初戦の小林のプレー。左は菅野(東スポWeb)

巨人は7日の阪神とのCSファーストステージ第2戦(甲子園)に4―2で逆転勝利し、ファイナルステージ進出を決めた。主砲・岡本和真内野手(25)を故障で欠く特大ハンディを抱えながらも、シーズンで14年ぶりに負け越した相手に2連勝。チーム一丸となった総力戦が奏功したが、超短期決戦に臨んだナインの緊張をほぐしたのは小林誠司捕手(32)のあの〝ワンプレー〟との声も上がっている。

劣勢を見事にハネ返した。先発した〝虎キラー〟高橋が2回もたず2失点で降板。主導権を握られたが、攻撃陣は相手のミスを見逃さなかった。3回は遊撃手・中野の失策からチャンスを広げ、松原と丸の適時打で3点を挙げて逆転。3―2の8回にも三塁手・大山の失策につけ込んでウィーラーの犠飛でリードを広げ、8人の投手リレーで反撃を断ち切った。

阪神にはペナントレースで11ゲーム差をつけられ、9勝13敗3分けで屈辱の負け越し…。左わき腹を痛めた岡本和まで欠場となり、圧倒的に分が悪かった中でもリベンジを果たした。原監督は「早い回でうまい具合に逆転できたというのは大きかった。ピッチャーも頑張ったんですけれども、守備も含めて守ることがしっかりできたということだと思いますね」とナインの奮闘をたたえた。

代役で4番に座った丸などヒーローを挙げればキリはないが、連勝劇の〝陰の立役者〟は6日の第1戦で先発マスクをかぶった小林との声もある。攻撃面では3三振に犠打失敗とさっぱりだったが、5回無死一塁の場面で、ピッチドアウトして阪神サイドの奇策とも言えるマルテの二盗を完璧に阻止した。守備面での貢献があったのはもちろんだが、ポイントとされたのはその前の3回。8番の坂本を見逃し三振で仕留めて二死とすると、アウトカウントを勘違いした小林はベンチに帰り始めてしまった。

慌てて菅野がマウンドから「誠司、ツーアウト!、ツーアウトッ!」と呼び止めてプレーを再開したが、2万人超を集めた場内は爆笑。負ければ崖っぷちとなる巨人ベンチ内も笑いに包まれ「張り詰めた空気の中、目の前のことに集中していたからこそ起きた〝ポカ〟がチームを和ませたのではないか」との見方だ。その後、打線は天敵左腕・高橋の攻略にも成功した。

ちなみに、小林はこの日の試合前の円陣でナゾのカメムシのエピソードを持ち出しながら「僕たちにはカメさん(亀井)がいるんで、しっかり盛り上げて一つになってやっていきましょう!」と元気に声出し。今季限りで引退する亀井から「誰がカメムシや…」とツッコミを入れられながらもチームを鼓舞し、途中出場した9回を締めた。

何はともあれ、さまざまな力を結集し、セ王者・ヤクルトへの挑戦権を手にした。3位から息を吹き返した原巨人は、このまま日本一まで駆け上がるのか。

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