【パCS】ロッテ短期間で〝一丸野球〟復活の裏に「2本柱」と「手負いの助っ人」

7回、値千金の同店弾を放ったマーティン(右)はエチェバリアとジャンピングタッチ(東スポWeb)

チーム浮上のきっかけはすべて整ったか。2位のロッテがCSファーストS1勝1分けで、ファイナルにコマを進めた。

マジックを3まで減らしながらも優勝を逃し、シーズン終盤を4連敗で終えたころは救援陣を中心に投手陣が不調。攻撃陣も得点力不足に悩まされていた。そのため、戦前は「短期決戦は豪華先発陣がそろう楽天の方が圧倒的に有利」とまでささやかれていた。

ところがシリーズが始まるや「一丸野球」を取り戻し終盤の粘りも復活しつつある。シーズン終了から約1週間のミニキャンプを経たとはいえ、短期間でチームが一変した背景は何だったのか。

投手陣では先発の佐々木朗と小島の「2本柱」の存在が大きい。シーズン中盤から両投手は好調だったが、CS2試合でも安定した投球を披露し、特に佐々木朗は重圧のかかる初戦を任されながらも6回4安打1失点10奪三振で楽天を圧倒。この流れに小島も乗り、第2戦は7回途中までに4失点したものの、着実に試合を作った。この両投手の奮闘がチームに「勝てる」という空気をもたらしたことは大きい。

攻撃陣ではマーティンの奮起もある。骨折した右足甲はまだ完治していない。それでも7日の試合では値千金の同点本塁打を含む2安打でチームを鼓舞した。手負いの助っ人の姿に、ナインが意気に感じないわけがない。CS2試合で計4安打の山口や初戦でサヨナラ打を放った佐藤都ら若手を含めチーム全体にもいい刺激になっている。

10日から始まるオリックスとのCSファイナルはアドバンテージの1勝があるうえ、今季18勝の山本や同13勝の宮城ら好投手を攻略しなければならない。厳しい戦いが予想されるが、井口監督は「本当に(CSの)2試合以上のタフなゲームになると思いますが、われわれは失うものがないので。しっかりと戦っていきたい」。

シーズン終盤の課題を克服しつつあるロッテ。11年ぶりの日本一に向けチーム状態は確実に高まっている。

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