韓国紙「中国の尿素輸出規制で韓国大混乱も、なぜ日本は平気なのか?」「世界最高のアンモニア生産力」

中国が尿素の輸出に制限をかけたことで、尿素の100%近くを中国に依存していた韓国では物流がダメージを受けパニックの様相を呈しているが、日本はなぜ影響が無いのかという分析を韓国紙が掲載した。

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韓国経済新聞は5日、チョン・ヨンホ日本特派員による『尿素水ショック、韓国は大騒ぎなのに日本は静かな理由』を掲載した。

韓国はディーゼル車の数がおよそ400万台と多く、その半分が貨物自動車だ。ディーゼル車は環境規制のため尿素水を必要とし、車種によっては尿素水が切れると動かくなくなるものもある。しかし尿素水の原料となる尿素を韓国は中国からの輸入に97%以上を依存しているが、中国は石炭価格高騰からこれから作られる尿素も不足したため輸出に制限をかけた。(輸出検査を厳格化)そのため韓国では尿素の相場が上がり、それさえも買えない状況が生じ、割増金を払って買うドライバーや、ネットで購入しようとして騙される事件が相次いでいる。尿素水を奪われる事件も起きており、運送団体が盗難注意報を発するほどで、まさに「尿素パニック」だ。

そのようななか、なぜ日本には影響が無いのかという分析をチョン記者はしている。チョン記者は「韓国と産業構造が似ている近隣日本は尿素水の不足現象が起きていない」とし「主原料であるアンモニアの80%を自社生産するうえ、ディーゼル車の割合が少ないため」という分析を伝えている。

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財務省によると、昨年基準で日本は、アンモニア約96トンを確保したが、そのうち77%となる約74万トンを自国で生産している。生産能力でみても宇部興産(36万トン)を筆頭に三井化学(31万トン)、昭和電工(12万トン)、日産化学(12万トン)の4社で91万トン分の生産能力を保持する。

チョン記者は「輸入でも中国に一切依存していない」とし、豪州やインドネシア、台湾など3カ国から年間確保量の23%を輸入している状況を伝え、電子商取引でも尿素水の相場は10リットル当1,500円で取引されており、「尿素水受難が起こる前の韓国と同様の価格だ」と指摘している。

韓国は2011年に採算性の問題で尿素水の生産を断念し、中国への依存を高めた経緯がある。しかし「韓国とは異なり日本はアンモニア生産において世界最高の技術力を持つという評価を受ける」とチョン記者は伝える。

チョン記者は「日本が独自にアンモニアを生産できるのは、大規模化学団地でアンモニアの主原料を安価に確保できるため」とし、「日本の大規模化学コンビナート(工業団地)ではアンモニアの主原料であるコークスガスが副産物として排出される」「アンモニアメーカーもほとんど化学団地周辺において原料を大量に安く求めることができる」との韓国人石油業者のコメントを紹介した。

一方で日本は韓国よりもディーゼル車の選好度が低く、昨年販売された乗用車のうちディーゼル車の割合が6%以下であることを伝えた。韓国は同年30%を超えた。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「さすが日本だな。不買の笛吹けば従う韓国人だが、習うべきは習わないと」

「…こういう事態(尿素不足)中豪の対立で予測できたのことではないのか?…事前に対策をとって産業ダメージを防がないといけないだろう!」

「国家の司令塔の能力差だな…足元で火がついてから慌てるし」

「日本がフッ化水素を輸出しないとなるや戦争でも起きるような騒ぎだったが、中国が輸出制限しても静かで従順な親共産党政権」

「韓国は対策もなく常時勇ましい言葉だけを並べならやられる」

「頼むから反日はしても親日はしてくれるな。反日はしても学ぶべきは学べ」

「中国とのレアアース摩擦の後から日本は中国に対する信頼を完全に無くした…韓国は中国に引き続き依存することがどれだけ危険なことか気づいていないない」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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