韓国紙「日本の経済安保政策を警戒すべき」「韓国を戦略的に排除...日本企業損害でも」

岸田政権で新設された経済安全保障担当相について、韓国紙がこれを警戒する報道を行っている。2019年7月に日本の輸出規制(輸出管理強化)の対象国となった韓国だが、同規制をより大きな枠で捉えて警戒する必要があると説いている。

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世界日報は10日、キム・チョンジュン日本特派員の記事『日、’経済安保の刀’どこに向く』を掲載した。

キム記者は、「日本政府の経済安全保障ドライブが尋常ではない」とし、岸田内閣で新設された経済安全保障担当相の存在について触れつつ、同経済安保政策の中核となる党組織についても言及した。

経済安全保障は岸田政権の重点政策4点のうちの一つとして発表されており、日本の経済安全保障上重要な戦略物資の確保や、技術流出防止のための対応、強靭なサプライチェーン(Supply Chain)の構築などが盛り込まれている。

時事通信(9日)によると、初代経済安全保障担当相には小林鷹之氏(内閣府特命担当大臣)が起用される。経済産業省や財務省官僚20〜30人が派遣され経済安全保障室を構成し、まず経済安保推進法案を準備するとされる。日本政府はすでに昨年4月、外交安保司令塔である国家安全保障局(NSS)に経済班を設置し、部署別組織の新設や人員の純増など経済安全保障分野の組織と人材を大幅に強化している。

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キム記者は、経済安全保障問題を主導するのは自民党政務調査会傘下の「新国際秩序創造戦略本部」であるとし、「新秩序を創造するとは、組織名からして簡単ではない(穏やかではない)」と指摘したうえで、甘利明現自民党幹事長が同本部発足時に座長を務め、小林氏が事務局長を務めたことを挙げた。

キム記者は、「日本は米中対立を経済安保政策推進の主な理由としているが、色々と私たち(韓国)に及ぼす影響が少なくない」とし、「日本政府が産業の米と呼ばれる半導体の日本国内生産を誘導するために天文学的な資金を投じて台湾メーカー(TSMC)を誘致しようとすることから分かるように、韓国が直面している国際的な競争構図がさらに激化するものと思われる」と分析した。

キム記者は、「特に日本特有の《聲東擊西》(陽動)を警戒しなければならない」とし、「経済安保ドライブが韓国を標的にしようとする可能性がある」と主張した。その理由として、戦略本部が5月中旬にまとめた文書において、韓国を直接取り上げ、2004年国際原子力機関(IAEA)が韓国の濃縮ウラン施設を査察した際に、特許公開された日本の核関連技術が活用されていたと主張していることを挙げた。

その上で、キム記者は、「2019年の韓国への輸出規制とホワイト国(輸出手続きの優遇国)排除措置についても、より大きな枠組みで再認識する必要がある」とし、日本の措置が単純に歴史問題という日韓の懸案から始まったのではなく、「日本企業の被害を甘受しながらも韓国を圧殺しようとしたのは、戦略的に韓国を排除しようとする意図から始まったと見ることができる」と述べている。

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