ヴェンゲルが長期政権を後悔?2007年に退任すべきだったと回顧「ハイバリーは私の魂だが、エミレーツは…」

 国際サッカー連盟(FIFA)のグローバル・フットボール・ディベロップメント部門トップを務めるアーセン・ヴェンゲル氏は、2007年にアーセナルを退任すべきだったと明かした。

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 72歳ヴェンゲルはアーセナルで22年間指揮を執り、2018年に惜しまれながらも退任。ビッグクラブからのオファーを断り続け監督キャリアの大半をアーセナルで過ごしたヴェンゲルだが、今週公開されたドキュメンタリー番組で「どこか他の場所に行くべきだった。私の致命的な欠点は、自分のいる場所を愛しすぎてしまったことだ」と長期政権を後悔していると伝えた。

「アーセナルに完全に帰属してしまい、それが過ちだった。フランス代表、イングランド代表、レアル・マドリード、パリ・サンジェルマン、さらにはマンチェスター・ユナイテッドにも行くことができたはずだった。退任するタイミングもあった。決定的なポイントは2007年。デイビッド・デインがスタン・クロンキーを招聘した時、役員室で初めて緊張感を感じた。クラブへの忠誠心とデイビッドへの忠誠心の間で悩んでいた。プロジェクトを最後まで遂行しなければと思ったが、今では正しかったかどうか疑問に思う」。

「ハイバリーは私の魂であり、エミレーツは私の苦しみだった。新スタジアムに移った途端、1位から2〜4位になり最高の選手を失った。以前は30歳以上の選手が去っていったが、あの時は25歳の選手がいなくなった。2006年から2015年まで、限られたリソースの中でクラブが借金を返せるレベルを維持するために、個人的には最高の仕事をしたと思っている」。

「退任時はまるで人生の終わり、お葬式のようなものだった。感情は抑えることができたが、ラブストーリーの終わりは常に悲しいものだ。私の人生はサッカーそのものだが、時々それを認めるのが怖くなる。私は仙人のようなもので、家、トレーニング場、スタジアムの小さな三角形の中で暮らしていた。罪悪感を感じるよ。なぜなら、私の情熱が利己主義を生み出したからだ。周りの人への配慮を十分にしなかった。もっと大家族を望んでいたが、今では娘がいる事に感謝している」。

「物事を修正しようとするが、負けたくない気持ちが非人間的にし、自分の一部を破壊してしまう。これまで偉大なチャンピオンに会ってきたが、彼らは失ったものしか話さない。成功は簡単に吸収できるが、敗北は永遠に残る。負けた時はあまりの悔しさに吐いてしまうこともあった」。

ヴェンゲルが長期政権を後悔していると回顧 Photo Paul Gilham

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